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上なるモノは下なるモノのごとく、下なるモノは上なるモノのごとく。



「オカルト」とは
そもそも「隠されたもの」という意味のラテン語。本コーナーでは、鏡リュウジが気になる「オカルト」的なことをお題に選んで掘り下げていきます。

オカ研File No.40 臨床心理士 東畑開人さんと「野の医者」を語ります【3】
2016/8/10

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臨床心理士 東畑開人さんと「野の医者」を語ります【3】
  東畑開人×鏡リュウジ
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<お詫びと訂正>
8/8から8/12まで掲載されていた本記事(【1】から【3】)につきまして、手違いで修正前のものを掲載しておりました。
現在は、正しい記事が掲載されております。
東畑開人様、ご覧になられた方へご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。



■変化していく「霊的生態系」


ところで、東京から沖縄に行ってユタになった人も最近はいるって聞きましたけど本当なんですか?


東畑
なんというか、いい意味でテキトウなんですよね〜。本当のユタって誰なんだろうって思うと、伝統的ななんとなくそれっぽいことを言う人よりも、現代的なことを言う人のほうが、カンダガイ(霊能力が強い)感じがします。本物の方が怪しいってことです。

本にも登場しますが、沖宮を作った人は本当に神がかりなんですよ。そうなると、神様と直接話しをしているので、アンパンとコーラだけしか食べない、と。そこは普通みりんとか、米とかじゃないのって思うけど、アンパンとコーラなんですよ。本当に神がかりしてるから、目の前にあるものを制約なく自由に使えるんですね。本物は自由で現代的なんです。だから逆に格式張ったことをいう人はどこかで勉強してユタになったんじゃないかな、というのが僕の印象です。



10年位前、久高島で僕を案内してくださったノロさんと話をしたとき、伝統文化が現代のスピリチュアルに汚染されてしまったと思ったんです。

というのも、その前に、15年位前にいったときは外部の人をぜんぜん寄せ付けない雰囲気だったのが、10年前になると、世の中にスピリチュアルブームが到来していて、スピリチュアル系の雑誌がいっぱい置いてあるわけですよ。案内してくださったかたもアトランティスが、とか言い出して。


東畑
こういうのも面白いですね。そういうのをどう考えたらいいんでしょうね。先日、民俗学の研究会に出たとき、「追難」の変遷のような話しをお聞きしたんです。詩経とかの古代文献から現代までを調べておられるんですけど、以前は朝廷でやっていた荘重な儀式が今では演劇化されている、と発表者はおっしゃってました。ショーになって娯楽になっているわけです。それを嘆いているような発表だったんです。



でも嘆いてもしょうがないですよね。


東畑
そうやって生き残っている方が、逆に本気の祈りがある気もしますしね。



もともと芸能ってそういうものですからね。いまショーになっている芸能ももとはたいがい宗教儀礼でしょう? でもそれが急速に進むというのはちょっとね。「霊的生態系」も守るように意識しなくちゃいけないのかなあ、なんて思います。


東畑
チェジュ島にも、シンパンというシャーマンがいて、それは世襲だそうです。世襲のところは比較的儀式の形式が残っていくんですけど、もう一方でボサルという内地から移住してきたような治療者がいて、彼らも町に増えているらしいんですけど、こっちは、神がかりしてなる人が多いらしく、そうなるといろいろなものをブリコラージュして現代風になっていくということを聴きました。霊的生態系を守ると言う意味では、案外世襲は大切かもしれませんね。



ユタの場合、いきなり神がかってしまって、そこから弟子入りする徒弟制度もありますね。


東畑
話を少し戻しますと、僕は、躁状態でいるだけではなく、落ち込むことにも価値があり、悩むことで人は成長するという方向を持っているのが臨床心理学だと思っています。



じつは占星術もそういうスタンスです。ニューエイジ的な占星術もあるんですけど、僕がやっている占星術の世界では、ニューエイジに対してものすごく批判的なんですよ。


東畑
なるほど、そうなんですね。こんどはそういう占星術の人たちにもお会いしてみたいなあ。



僕も精神分析を体験したことがないので、1回は受けてみなくてはならないですね。


東畑
いいかもしれない! 占星術師が精神分析を受けているっていうのは現代的でいい感じですね。逆は結構あります。占い好きの臨床心理士は多いですね。

もし、鏡さんが受ける場合には、最低でも週に1回、長期にわたって受けて頂くことになります。



月に1回位ではダメなんですね。


東畑
転移がうまれることを重視するので、頻度が月1回だと生まれないですからね。でもね、ちょっと敷居が高いのはあるかなと思います。

お試しは大切ですからね。僕ら臨床心理士も今までは、自分たちの学問的議論に力を注いできましたけど、もうちょっと外側に向けてマーケティングをやっていくべきだという声もあがっています。

精神科や心療内科にかからないでも、もっと気軽にカウンセリングや心理療法を受けて、自分の生き方について考えるっていうそういう文化をつくっていけたらということを思っています。だからね、それこそユーザーがアクセスしやすいようなポータルサイトを作ろうというのを最近やっています。


それは楽しみですね。今日はありがとうございました。


(了)

ー 他コンテンツ紹介 ー

東畑開人(とうはた かいと) プロフィール

1983年生まれ。2005年京都大学教育学部卒業。2010年京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。2013年日本心理臨床学会奨励賞受賞。沖縄の精神科クリニックでの勤務を経て、十文字学園女子大学専任講師。博士(教育学)・臨床心理士。元マインドブロックバスター(2015年8月更新忘れのため資格失効)。

『「野の医者」は笑う??心の治療とは何か』

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