鏡リュウジ公式サイト BETWEEN THE WORLDS

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「オカルト」とは
そもそも「隠されたもの」という意味のラテン語。本コーナーでは、鏡リュウジが気になる「オカルト」的なことをお題に選んで掘り下げていきます。

オカ研 File No.5 一番人気の星、「金星」の解釈をめぐって 2
2012/1/11



金星の豆知識なんだけど、金星の記号のメスマークは実は占星術が先で、生物学のほうがあとって知ってた? ♀は、アフロディテーの手鏡を表している。


あ、そういえば、楔形文字の「神」も金星マークと似てますよねー。惑星記号はシュメール文字からきたんですか?


楔形文字なんてわからないけど(笑)、惑星マークは古代ギリシャ時代にできたもの。星座記号も同じ頃です。ちなみに火星マークは軍神アレスが持っている槍と盾。あれも占星術が先。

あと、金星って、逆行するポイントをチェックするとホロスコープ上で五芒星を描くんだよ。8年毎のパターン。

五芒星といえば、『ダヴィンチ・コード』の冒頭で使われたマーク。ネタバレだけど、五芒星は金星を象徴するということが複線になっているのだ。つまりイエスには子孫がいたという話になる。マグダラのマリアとイエスの間に子供がいた、その血脈こそ聖杯だということになっているんだけれど、キリスト教のなかにおける隠された女性原理、女性崇拝の存在というのが『ダヴィンチ・コード』の面白み。そのネタモトは『レンヌ・ル・シャトーの謎』(柏書房)として翻訳されたベストセラー、The Holy Blood Holy Grailです。


マリア、アフロディテー、イシュタルという女神の系譜がありますが、共通点としては鳩のシンボルが出てくる点ですね。鳩は、キリスト教ではイエスの洗礼の時に表れた聖霊を表すとも言われてますね。つまり人間性を神性に近づける媒介者。


「惑星の子供たち」は、キューピッドが車を動物で引くんだけど、金星だけは鳩が引いていたことはもういったよね。

ところで、考えてみたら、惑星って月と金星だけが女神を象徴としているよね。これって非常に父権的だと思わない? だって、月はお母さんないし妻で、金星は愛人。男性社会の中では、お母さんと愛人しかいらないというのは、ある意味言い得てるかもね。


そうですね。お母さんも愛人も荒ぶったりしませんしねえ。従順さが美徳で、枕を濡らすのが関の山という予定調和。でも今は、パラスとかセレスとか小惑星が4つ入ってきて、それが女性性の解釈を増やしてますね。解放なのか迷走なのか、いずれにせよ女性性が色々なところで賦活してきたとも言える。


そもそも、女性が何かすると「荒ぶる」というふうにいわれちゃうのが問題ですな。まあ、現代の解釈では男性の中にも金星があるとされているから。

できれば、あまり男性とか女性とかいわず、月は、今の状態を安定してキープする力を表し―つまりはお母さんで、金星はここにないものに対しての憧れとエロスの力、というふうに考えたほうがいいんじゃないかなあ。


ところで、女神復権運動みたいなのが盛んになったのはいつ頃ですか?


1980年代がピーク。スピリチュアル・フェミニズムというか。占星術にとくに影響を与えたのは『女はみんな女神』という本。ユング派の女性が書いた本で、7つの女神に自分を見つけ、内なる女神性に自覚的になりましょう、と。

でもこれはフェミニズム内でも問題ありと考える人も多い。そもそも、「女神」なんて表象を作り上げたのは男。女神のイメージなんていうのは、男にとって都合のいい女性像でしかない可能性もあるわけで、そんなものに自分の役割のモデルをあてはめたら、まったく自由になれない、というわけで。

エコ・フェミニズム批判についてはやっぱり上野千鶴子先生の『女は世界を救えるか』という本が徹底している。


今の話を聞いて思い出したんですが、アフロディテーを世話する3人の女神がいますよね。タレイヤ(花ざかり)、エウプロシュネー(喜び)アグライアー(輝き)。冬の間に冬眠しているアフロディテーが、春になったらこの3人の女神に衣をきせかえてもらうっていう。

以前僕が「ニコ生」の正月占い特番に出た時に、マリー・オリギンさんというもうすごいカリスマがにじみ出てるような女性の占い師さんが一緒に出ていて、恋愛の相談に答えていたんですが、「あなた、最近髪型変えましたか? 半年以上同じ髪型をしているのは女として枯れているから悔い改めよ」みたいなことを言っていたんですよ。

で、これはアフロディテーと同じだなあ、と思ったんです。アフロディテーも半年くらいの間をとって処女性を刷新し、美の力を取り戻しますから。最高の美神だって、枯れる時は枯れる。ちゃんと復活できるかどうかが大事なんだなって。


そうだよね、逆に言えばずーっと恋愛ばっかりってムリってことかも? 恋には休憩期間も必要ってことだよね。卒業ということもあるかもしれないけれど。

ところで最後に2012年の話を。

占星術では1年を占う時は春分の日のチャートを見るわけだけど、2012年3月21日の東京のチャートはすごくいい! 金星と木星が牡牛座に入って天頂です。 だから来年の日本は景気が良くなる可能性があるかも? でも残念なことに今現在その材料が見当たらないね。牡牛だからベタな感じで、実質経済にフォーカスがあたるイメージなんだけど。


その人の身の回りの身近な財を大切にしようと思わせる感じがします。自給自足して食えてれば大丈夫じゃんと気がつくような、預金残高とかの数字じゃない感じ。庭やベランダで家庭菜園やって食べられたらいいじゃん!って感じ。でも今年のうちに日本全体そういうふうにシフトするとは思えない・・・。


確かに。でも、金星が象徴するような、「歓び」とか「贈り物」の概念を軸とするような、そんな経済や人間関係のしくみのようなものをつくっていこうとする動きも出てくるんじゃないかと思うし、そうしなければいけない。

額面だけのお金をやりとりするようでは、地上のアフロディテーは生きる場所がなくなってしまう。温かなふれあいだとか生身の人間関係のようなところにこそ、金星が活きる場が生れるんだと思うから。春分図にはそんなことが表れているんじゃないだろうか。


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シュガー プロフィール

Sugar(シュガー)
1983年生まれ。サラリーマンを経て、占い師。現在、個人鑑定・講座・執筆活動中。
鏡リュウジとの最初の出会いは、「ユリイカ」に掲載されていたシュタイナー研究で著名な美学者・高橋巌氏へのインタビュー。この時に覚えた違和感が、占星術へハマるきっかけに。慶応大哲学科卒。男性占い師ユニットNOTFORSALEメンバー。

●特技はどこでもすぐ寝ること
●ソウルフードは中本の冷やし味噌ラーメン

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