鏡リュウジ公式サイト BETWEEN THE WORLDS

上なるモノは下なるモノのごとく、下なるモノは上なるモノのごとく。



「オカルト」とは
そもそも「隠されたもの」という意味のラテン語。本コーナーでは、鏡リュウジが気になる「オカルト」的なことをお題に選んで掘り下げていきます。

オカ研 File No.6 「エイジ・オブ・アクエリアス」から魚座時代へ! 2
2012/2/7



境界線が曖昧になるから影響を受けやすくなるっていう意味では、個人レベルでの免疫力強化もそうですが、国境を超えた共通の問題に対しても免疫をつけていく必要もあるのかなと思っています。

例えば史上最悪とも言われる2010年のメキシコ湾原油流出事故にしても、あれは海底で原油が噴出していて、近年積極化していた海底油田開発を疑問視する流れになってきているし、そういう意味では、既に福島も国境を超えたレベルで関心を向けられている。

そうした関心の高まりは、同時に食料や水、薬など、自分の中にいれるものにより敏感になっていくということと表裏でもあるんでしょうね。


前半の方でディオニソスという神様の名前も出たけど、ここで改めて海王星にまつわる神話について話しておこうよ。

皆さんきっと、海王星=ネプチューンだと思ってるかもしれないんだけど、最近の占星術のトレンドはちょっと違います。海王星=ネプチューンではなく、海王星的なアーキタイプの神様をマインドマップみたいに並べていくという場合が多いの。南方マンダラではないけれど、連想、拡充した「海王星マンダラ」的なものをつくっていく。

そこでつながりやすいのが、さっきのディオニソスやオルフェウス。海の神様でオケーアニスという神様かな。

あと、英語の海王星はローマ神話のネプチューンの名前を借りているけれど、ネプチューンはそれ以前のギリシャ神話のポセイドンと習合した神様だよね。ポセイドンは、三叉の鉾を持っていて地震も起こす神様です。


そうなんですよね、ポセイドンはもともとは地震を司る「大地を揺らす神」で、豊穣神デーメーテールの夫に位置付けられたりもしている。大地が割れると地下水が湧き出すこともありますから、どうもそのあたりで水神ネプチューンとつながったんじゃないかと考えています。


そういう神様の系譜は面白いよね。こうした習合というのはかなり恣意的に起こったのかもしれないけれど、フロイト的錯誤ではないけれど、そうした「恣意的」な接続の背後に無意識的な布置があるような気もする。
そうだ、ネプチューンは馬の神様でもあるよね。


そうなんです、馬の神で、競馬の神だった。古代ローマ時代、「パンとサーカス」のサーカスと言えば闘技と競馬のことでしたからね。つまり娯楽や快楽の象徴でもあった。それから競馬というと賭け事で、先が読めない、どうなるかわからないことの象徴でもありますが、現代の占星術の解釈では、景気や相場は海王星に対応するものとして見ますよね。そういうの、面白いです。


シンボルというのはそもそもが明確な定義はできないものなんだけど、とりわけ海王星的なものは「定義」から定義上、こぼれていく。カタチにならない。

心理占星術の権威であるリズ・グリーンは、巨大な本“Neptune”で、まずは海王星を始原の「水」といっている。多くの世界創世神話に登場する始原の海なわけだけれど、それは自我が誕生する以前のマトリクス(母体)そのものだから、自我体験以前の世界であって、明確に「想起」(思い出す)ことすらできない。

無意識から自我や意識が発生していくプロセスそのものをぼんやりと、しかし、強い憧憬をもって魂そのものが自らを描写したものが海王星、というふうにぼくは思うんだなあ。


●禁じ手の未来予測


というところで、今後14年間の変化の予測はいかがでしょう?


海王星が魚座に入った時に生まれた共産主義も今からみれば「夢」だった。ただし夢を見ていたときは夢だって気がつかなった。でも夢がないと次にいけない。


予測するにはまず夢探しから、ということですか。そうそう、前の海王星魚座時代はダーウィンの『種の起源』が発表された時期でもありますね。進化という夢。物理学のエネルギー保存の法則もこの時代に確立されていますし。あと、ゴールドラッシュも同時期。


そういえば、アヘン戦争もそうだ。麻薬といえば非常に海王星魚座的だね。その前の魚座海王星のときだけど、1692年に魔女の世界では有名な、「セーラムの魔女事件」。


面白いのは、クリミア戦争の時に、パリ天文台が暴風雨の研究をしたのが天気予報の起源らしいんです。天気予報という曖昧な予言もこの時期スタートしたというのは興味深い(笑)


ははは、そうか。「曖昧」な「予言」。あと優しさの象徴としてナイチンゲールが活動したのもこの頃か。ワクチンの予防接種を開発したパスツールもいるね。免疫システムというのは自他の区別をする生体反応だし、自他のあいまいな境界をめぐって複雑に作動するこのシステム自体、海王星的。感染というのが一般的な海王星のキーワードになっているからね。


どれもいかにも海王星的ですね。では未来の前に去年4月4日から8月4日にかけて、海王星がちょろっと先に魚座入りした際のことを振り返ってみましょうか。


日本でいえば、4月はまさに震災の後の世の中のムードを象徴しているね。「つながろう、日本」という頃でみんなが優しくなっていた。というか優しくなろうとしていた。被災していない人たちも、そのことだけで何か得たいの知れない「何かしないといけない」というプレッシャーや罪悪感のようなものを感じたこともある。


7月の女子サッカーワールドカップの優勝も、単なるサッカーの試合以上に「つがろう日本」の象徴っぽい出来事でしたね。あの時は海外でもたくさんの方が応援してくれた。


境界線が崩れるというと、「ウォール街を占拠せよoccupy wall street」の発端となった呼びかけもちょうど同じ7月。


あとは原発にしても、福島の事故以降、もんじゅや九州でも事故が起きていたことが露呈していきましたね。

実はちょっと興味深い点があって。水神を起源にしてる神話はたくさんありますが、ケルト、インド、イランあたりのインド・ヨーロッパ語族の文化はたいてい、海王星的な水神が絡んでいるんです。そこで類似しているのは、水中に神聖な炎があってそれには穢れなき者しか手出ししてはいけないことになっていた。

でもあるとき資格なき何者かが手に入れようとして結果失敗したため、炎のまわりの水が地に溢れ出し、そこから河川が誕生したという構成のようなんです。これってまさに原発をイメージさせる話だと思いませんか?

この神話イメージをあえて未来に向けてふくらませると、大きなレベルの母胎回帰があり、そこにはすべてを包みこんでくれる優しさと生まれ直しへの希望が示されているだけじゃなくて、犯すべからざる神聖な炎もちゃんと設定されていて、そこに改めて留意しなければいけないという感じが強くします。なんだか抽象的ですが。


うーん、なるほど、そうだね。個人レベルでみると、見えないものの価値、つまりこのサイトのキャッチフレーズ「Between the Wolrds」の世界がもっと深まることになるのかな。あと、東浩紀さんの『一般意思2.0』はとっても海王星っぽい。


あ、まさに。前段ふりかえると、これまでの海王星水瓶座時代は「スピリチュアル・ミーツ・テクノロジー」と言えるかも。たとえば虚空山彼岸寺というネット上のお寺なんかはいい例ですが、あれはまさにスピリチュアリティを広げるためのテクノロジー。テクノロジーということで水瓶座的。

TwitterやFacebookなどのSNSもコミュニケーションという非常に人間的なことをやろうとしている機械という意味では海王星水瓶座。あとは初音ミクですね。コンピュータと人間の境目がなくなった。

こういうふうに水瓶座時代に前提条件が揃ったうえでのいよいよ魚座入りですから、今後はより直感的なツールが表れそうですよね。


今までは個人のネットワークを想定してるんだけど、それがまず水瓶座的だよね。インディヴィジュアリティがある。『一般意思2.0』はそれとは違う。

一人ひとりの意思の集合、それに基づく決定は「全体意思」で「一般意思」ではないというの。個人の心の動きをすべてアーカイブ化し、リアルタイムで記述したときにそれ自体が再帰的に反応して創発されてくるような、集合的無意識のようなものがあるのではないか。

そうしたものをモニタリングすることで個々人のコミュニケーションに依存しないかたちでの、新しいかたちの「一般意思」が誕生する下地がネット環境として整いつつのではあるのではないか、と。

あ、これは門外漢のぼくのまとめだから、間違っているかもしれません。ぜひシュガーくん、自分で読んでみて。


それはものすごい魚座ですね。そこに河川が生まれる、意思の流れが生まれるわけだ。

夢を映像として記録しデジタル化できるようになった社会以後の世界を描いた恩田陸の『夢違』も、集合的無意識にアクセス可能になるという話で、とても魚座海王星的な小説でした。最近出版された本ですが、この時期にこういう小説が出るというのも面白いですよね。


『夢違』のように無意識にアクセスするというわけじゃないけど、魚座時代は感性を高めるには良い時期だよね。自分でタロットをやってイマジネーション鍛えるには最適。もちろん、占いの結果だけを求めるんじゃなくて、創造性を深めイメージを広げていくことが大事。

あとはやっぱり「優しさ」だよねー。本当の優しさって何だろうとかそういうことをみんな考えていくようになるんじゃないかな。

ってことで皆さん、占いをもっとどんどんやってー!ってことなんだけどね。スマホアプリもよろしく! いや、これはまじです(笑)


ー 他コンテンツ紹介 ー

シュガー プロフィール

Sugar(シュガー)
1983年生まれ。サラリーマンを経て、占い師。現在、個人鑑定・講座・執筆活動中。
鏡リュウジとの最初の出会いは、「ユリイカ」に掲載されていたシュタイナー研究で著名な美学者・高橋巌氏へのインタビュー。この時に覚えた違和感が、占星術へハマるきっかけに。慶応大哲学科卒。男性占い師ユニットNOTFORSALEメンバー。

●特技はどこでもすぐ寝ること
●ソウルフードは中本の冷やし味噌ラーメン

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