鏡リュウジ公式サイト BETWEEN THE WORLDS

上なるモノは下なるモノのごとく、下なるモノは上なるモノのごとく。



「オカルト」とは
そもそも「隠されたもの」という意味のラテン語。本コーナーでは、鏡リュウジが気になる「オカルト」的なことをお題に選んで掘り下げていきます。

オカ研 File No.8 占いファンの聖地・原書房に聞いてきた「他では言えない話」2
2012/4/2


●本のプロの目から見た”いい蔵書”とは?


番頭さんがお店に入られたのはいつ頃なんですか?

原書房の番頭さん
番頭となったのが5年くらい前で、店自体に入ったのは20年前。たまたまですよ。


この界隈で「番頭」といういい方がホントはコワイんですよねえ。実はなんでも詳しくていらっしゃるでしょう?
とはいえ、それまではどちらに? もともと運命学などの世界はお好きだったんですか?

原書房の番頭さん
出版社にいたんですよ。でもある時辞めちゃって。もともと私は「書」が好きだったんです。書の専門のお店の方に、どっか勤め先ない?っていったら隣りが募集してるよって聞いたんですよ。で入っちゃったらそのまんまになっちゃった(笑)


そうなんですか。すごい! それこそどこで運が変わるか分からないですね。占いにでてるかな?


出てるかも知れませんけど、同じこと言い出されてこれまでたくさん占われてきたでしょうね(笑)
じゃあそれから、お仕事柄、色々勉強されたんですか?

原書房の番頭さん
まぁ前の番頭さんにはいろいろ習いました。でも、なんといってもやっぱりお客さんに教えていただいたのが大きいですねえ。世間に名前が出てない方でも、それはまあ、お詳しい方がいっぱいいるんでね。

 & 
それはもう、そうですよねー!! わかります。

原書房の番頭さん
西洋占星術の方とかでもいらっしゃいますよ。鑑定とかは全然やらないけど、何でもご存じなような人がね。


中でも記憶に残ってる方とかいらっしゃいますか? この人は特に凄かったとか。

原書房の番頭さん
ほんとによく来てらっしゃった方がいて、すごい有名でもなかったんだけど。亡くなられて本の整理にいったら、ビックリしちゃった。


ああ、そういう蔵書の凄さとかは知りたいですね! 何が凄いのかっていう。


確かに! 本の専門家の方から見て、本の集め方が凄いとか、蔵書が素晴らしいとかってのは、何かポイントがあるんでしょうか。ただ単に古い本があったとか、そういうことでもないんでしょう?

原書房の番頭さん
ああ、そういうことじゃないですね。いいとこついてるなってのは、なんて言うんだろうな、よく秘伝ていうじゃないですか。


ええ。

原書房の番頭さん
こっちも商売だから、中身を見て値段つけますよね。全然知らない人の本でも。それで、あ、これは使える本だなって本を数多く持っていたりすると、いいよね。


その、「使える」というのは?

原書房の番頭さん
易者さんがネタになるってことでしょうか。すぐに商売につながるというか。


つまり、実際の占いの現場で使えるものをきちんと揃えているかどうかで、その人の眼力も分かるということでしょうか。そういう方の場合、例えば名著とかでなくてマイナーな本でも、ある程度高く買うし、いいものが売れるから商売が成り立つという。

原書房の番頭さん
それはどこの商売でも本屋さんでも同じだと思う。


やっぱり普通の古書店の市場とは違いますね。

原書房の番頭さん
いや、近いものがありますよ。美術書とかでも、このページのこの図像はここにしか載ってないってことになると、一気に値段が上がっちゃったりしますからね。


ははあ。でもいわゆる希少性だけじゃなくて、実用性がそこに乗っかるってのは面白いですね。やっぱり普通の本屋さんじゃそこは見ないし、分からないですもん。


確かに、使えない本をいっぱい持っててもそれはただのコレクターですからね。コレクションではなく、ちゃんとその人の思想や哲学の生きた一部になっているのか、その点が蔵書のよしあしなんですね。

原書房の番頭さん
希少性だけだったらね、それこそ古いものだったら幾らでもあるんですけど、売れないですよ。難しくて。結局使われない。


大学の図書館が買いにきたりとか、そういうことはないんですか?

原書房の番頭さん
ああ、ありますよ。以前、国立民族博物館が占い展やった時(※企画展示「異界万華鏡-あの世・妖怪・占い-」平成13年)なんかは、ほとんど資料はうちからですよ。


あー、ありましたねぇ! というか、それは凄いな。やっぱりさすがです。


●日本とイギリスでは古書店の使われ方が違う!?


ぼくが上京してお邪魔するようになってから20年以上。この20年くらいで売れ筋の傾向なんかも変わってきたんでしょうか?

原書房の番頭さん
変わってきましたね。何といっても、堅い本を買う人が本当に少なくなった。


普通の書店でも一昔前なら「専門書」と呼ばれるものも扱うようになったし、ネット書店もありますものね。

原書房の番頭さん
前は占星学の本でも売れたんだけどね。


僕はイギリスの専門書店にもよく行くんですけど、こうしてお話聞いていると、やっぱり日本とはお店の役割が少し違うんですよね。ロンドンだと、オカルト書店が同じ趣味や同好の士の交流の場になってるんです。だから、わざとそういうところでお茶を飲んだりとか、話をしにくる。

サーフショップとか釣りの道具のお店が初心者の「窓口」になっている感じに近いといったらいいすぎかなあ。

原書房の番頭さん
ああ、それはうちではあまりないですね。


それはやっぱり日本や日本人の特色なんですかね。

原書房の番頭さん
そうかも知れませんね。


よく分からないな。でもそれだけ市場に出回ってない本がいっぱいあるってことの裏返しでしょうか。まあ、たくさんの人が来て競り合って値段をつりあげていく、なんてことよりは個人的にはいいけどね。

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(つづく。次回更新予定は4月9日です)


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シュガー プロフィール

Sugar(シュガー)
1983年生まれ。サラリーマンを経て、占い師。現在、個人鑑定・講座・執筆活動中。
鏡リュウジとの最初の出会いは、「ユリイカ」に掲載されていたシュタイナー研究で著名な美学者・高橋巌氏へのインタビュー。この時に覚えた違和感が、占星術へハマるきっかけに。慶応大哲学科卒。男性占い師ユニットNOTFORSALEメンバー。

●特技はどこでもすぐ寝ること
●ソウルフードは中本の冷やし味噌ラーメン

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