鏡リュウジ公式サイト BETWEEN THE WORLDS

上なるモノは下なるモノのごとく、下なるモノは上なるモノのごとく。



「オカルト」とは
そもそも「隠されたもの」という意味のラテン語。本コーナーでは、鏡リュウジが気になる「オカルト」的なことをお題に選んで掘り下げていきます。

オカ研 File No.13 12年に一度の幸運期「木星」の真実 2
2012/9/28



さっき言っていた、自分なりの木星太陽のバイオリズムですが、山と谷の山にくる時が合だとして、お客さんにこういう言い方してます、「いわゆる12年に一度の幸運期の時は山の頂上にいるイメージだと思ってください」って。

山頂って、風が強く吹いていて、風向きもすぐに変わって、体を持っていかれそうになりますよね。それを追い風で受けられれば、飛躍になっていくけれども、向かい風が受けてしまえば怖くなって地べたに伏せてしまう。非常に身体をコントロールしにくいですし、バタバタしたりする。

幸運期というのは、そういう変化が非常に大きいときで、ある種、賭けのようものだと思ってくださいと。

結果、自己信頼を取り戻したりすることもあるけれども、まあ、それは賭けだから、当然、へんな「卦」が出てしまうこともある…。いずれにせよ、良くも悪くも自分がもともと持っていたものが拡大膨張して、バッとでやすい。


スキャンダルがおきたり秘密がバレやすいなんていう時期でもあるよね。


そうですね。もともと、僕がなんでそのような見方をするようになったかというと、鏡さんが翻訳されたフィチーノの本を読んだから。『内なる惑星』ですね。

その本の中で、「木星はイマジネーション的遭遇」っていうフレーズがでてきたんです。それはさっき言っていたような水星的合理的知性じゃなくて、もうちょっとファンタジー的空想を取り戻させたりとかするための知性を木星がもっているということ。

「イマジネーション的遭遇」の風が吹いてくるイメージですね。それがもうちょっというと、文化を作る創造だったりとか、法と秩序みたいなものを人生に取り戻してこの世界に生きていていいんだっていうこと。

フィチーノは、「生命のもっとも精神的な住居=木星」という言い方もしていたんです。


伝統的占星術ではJoyという概念がある。それぞれの惑星は特定のハウスで喜ぶんだけど、木星は11ハウスでJoy。この場合には願いを表わす位置なんだろうね。


生きる喜びとか祈りみたいな感じですね。こうなったらいいなっていうビジョン、そういうものを投影するといい時期ですね。山の頂上という意味では、日本では山岳信仰が盛んだから山の頂上に社がたっているところが多いですが、そういうイメージもあります。


こういうイメージがなぜ、吉星とつながるかっていうと、それが地上で起こると物事を拡大していき、理想を実現していくという。でもそれをやり過ぎると散財とか、大口叩くのが注意とか、そうなる。


そうですね、それがさっき鏡さんがおっしゃっていたゼウスじゃないかなって思います。


でも、なんといってもゼウスは偉大な神。つまりローマ神話のジュピター(=ユピテル)をいうと、ガリレオがパトロンのロレンツォ・デ・メディチ2世に、「あなたのホロスコープでは木星が天頂に輝いていて、まさに君主にふさわしい」などと持ち上げている。これは『星界の報告』にも入っているので、興味のある方はその序文を見てください。

「慈しみ、心の暖かさ、物腰の柔らかさ、王家の血統の正しさ、行いの重々しさ、他者への権威と支配との広大さ、こうしたすべての徳が、一切の善の源泉である殿下に宿っておりますことを、知らないものがありましょうか。また、これらすべての徳が、一切の善の源泉である神の次に位するユピテルの星から流れ出ていることを、知らないものがありましょうか? ユピテル、ユピテルこそ、殿下の御誕生のさい、すでに地平の濁った蒸気を通り過ぎて中天に位置し、王宮にあって東方を照らしていました」(山田慶児、谷泰訳、岩波文庫)

ガリレオが作ったコジモのホロスコープも実際に残っています。確かに木星は天頂にある。


いま、褒めるために使うって言ってましたけど、面白いと思うのは、ギリシャ神話のゼウスって、絶対の神じゃないですよね。最古の神でもないし、創造神でもない。絶対的な権威というよりは、すごく混沌としているギリシャ神話のドラマの中心にいて、ちょっと無責任だったり、多情でいろんな人に手を出しているイメージ。

けれど、主要な物語や季節をいろどる各星座って、だいたいがゼウスが変身している姿だったり、ゼウスが手を出して産ませた子供だったり、英雄や女神ってほとんどゼウスと関わっている。

逆にいうとゼウスと関わっていない神はいないくらいなんですよね。王として統べる絶対神というのではなく、血縁やドラマで神々たちをつなぐ者として存在している。結果的に、法と秩序、つながりじゃないですけど、先ほどのイマジネーション的遭遇という任を担った媒介者という感じがします。

だからフィチーノ本を読んで最初に衝撃をうけたのは、「ユピテル(ゼウス)というのは、極めて普通の当たり前の生活の神である」って書いてあったこと。

ゼウスって「王」というイメージがあったから衝撃でした。disってるなって(笑)。でもそれが当たり前のものを作るとか、普通のものがべネフィック、吉星を表しているんだってつなげていっていて、確かになった。


なんだか日本の民芸みたいなもんだね。柳宗悦とか。

ゼウスがいろいろな神と関わっているっていうのには、違う理由もあると思う。みんな、貴族とか王家とかは、自分の血統をゼウスとつなげたくなるわけだよねえ。だから結果的にそうなっていく。ゼウスは権威のソースでもあるってことだよね。王権を支える根拠となっているわけでもある。

そもそも、なぜゼウスが木星なのかっていうと、わからないのだけど、バビロニアでは既にゼウスの出神でマルドゥークっていう神様だったし、北欧神話トール。THORあるいはTHURで、Thursdayの語源。アメコミのヒーローで最近映画にもなったマイティ・ソーってここからきてますよね。

あとそうだ、木星は1年ごとに星座を移動していくから、だから学年ごとのカラーを決めてるという話もある。ハーモニック占星術研究していたデイヴィッド・ハンブリンという人が1980年代にエッセイで、彼は教師歴が長いらしいんだが、毎年毎年、生徒のカラーが違うけど、どうもそれは木星のサイクルが影響しているらしい、と書いています。


なるほど。それもありますよね。あと、これもフィチーノですが「三美神」って表現しています。三美とはつまり、光、喜び、緑。それぞれ、太陽、木星、金星と対応しています。

そして太陽のものと金星のものをまぜあわせたとき、両者から木星の像が作られる、と。太陽は精神的なものを与えるけれども、太陽だけだと直接的すぎて激しくなってしまい、魂が乾燥してしまう、と。

でも木星は同じことを非常に穏やかに成し遂げる。そういう意味では、木星は先ほどのような自己超越性や宗教性という言い方もできるけど、一方で魂を調整する役割を果たしていると思います。


木星は温かくて湿っているものね。これはアリストテレスが提唱している、熱冷湿潤で分類してる中でね。木星は湿っていて暖かい。それは春に対応する。太陽は乾いていて暑い。

そうそう、石の上にも3年っていうけど当たってるなって思うのは、木星の太陽合は12年に一回だけど、いい角度を作るのは4年に一回だから。つまり3年待てばまた木星がいい角度になる、と。

あと、石川源晃さんはアセンダントが木星の時は絶対良いことがあるっておっしゃっているね。


種まきの時期ともいいますよね。僕は鑑定では、植物でいうと開花している時で、実がなるのはその後なんだよねって説明しています。合になったときから2年から3年かけて収穫されていくんだよ、と。ま、これは土星が一つの星座に滞在する期間と同じくらいの長さでもありますが。

ところで今現在木星は双子座にありますが、世相的に見ていくとどうでしょうか?


悪いほうで木星が出てきちゃってるけど、いじめ問題とかかな? 双子座が拡大発展して情報が隠せなくなったという意味で色々わかってきてしまった。双子座は義務教育とか初等教育を表すからね。


ああ、それはあるかも知れませんね。
あと、こないだ改めてまとめてたんですけど、その時々の木星星座がNHKの大河ドラマと対応していて面白いんですよ。

木星双子座期である今は平清盛ですね。彼は東の鎌倉に対する、西の文化経済を作りあげましたよね。鎌倉は土地に根付いた不動産文化で、西は動産文化といえます。

平清盛は驕り高ぶった人物像とは裏腹に、交易路を最も開拓した人物でもあって、日宋貿易の海路、瀬戸内海の海路も整備したんです。海洋路とか世界の中の日本に価値を見出そうとして、動産にもっと価値を見出そうというのが、非常に双子座っぽい。

牡羊から牡牛が「お江」で、数奇な運命に翻ろうされながらも強く生き徳川の礎となった姉妹の話ですが、これは牡羊座らしくいろいろトライしてみて、結果的に自らの運命を自覚して、現実的に定着していくという流れですね。

魚から牡羊が「龍馬伝」。幕末、明治維新。これは海王星的な状況(メルトダウン、海外とのつながり)から、日本が確固とした自我をもった国として産声をあげる(牡羊座)という流れ。かつ、それをひとりの英雄を軸にみる。これも牡羊座的。

ちなみに水瓶から魚が「天地人」。山羊から水瓶が「篤姫」でした。

話を今に戻すと、震災後の木星牡牛座時期の生き抜くというフェーズから一段落して、双子座期に入って、だいぶ世間にメディアに対する自立心が出てきましたね。

テレビもTwitterをニュースで取り入れたりして変わってきましたが、それ以上に若手の論客が台頭してきたり、LINEやSNSが定着してきてますし、CAMPFIREやGROWみたいなクラウドファウンディングなんかも注目されています。こうした状況も非常に双子座っぽいですよね。

また、双子座木星期って総論に向かないイメージもあって、政治が混迷していたり、個々の意見や主張がでやすい時期なんだなって思います。


とはいえ、やはり木星は木星ですよ。木星はこの世界のなかにはもっといいものがある、次がある、そして恵みやギフトが存在している、ということを伝える星。

極楽トンボになるのはいかがなものかとは思うけれど、こんなときだからこそ、木星の恩恵…それは物心ともにあると思う…をきちんと見定めていかなければ。

「求めよ、さらば与えられん」。これが木星からのメッセージだと思うな。


双子座も組み入れて言えば、「求めよ、そして声を挙げよう!さすれば与えられん」ですかね。まずは思っていることを素直に口に出せと。これシンプルですけど、意外に難しいテーマですね。


『内なる惑星―ルネサンスの心理占星学』
著:トマス ムーア 翻訳:鏡 リュウジ 青木 聡
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4791759397/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4791759397&linkCode=as2&tag=kagamiryuji-22



ー 他コンテンツ紹介 ー

シュガー プロフィール

Sugar(シュガー)
1983年生まれ。サラリーマンを経て、占い師。現在、個人鑑定・講座・執筆活動中。
鏡リュウジとの最初の出会いは、「ユリイカ」に掲載されていたシュタイナー研究で著名な美学者・高橋巌氏へのインタビュー。この時に覚えた違和感が、占星術へハマるきっかけに。慶応大哲学科卒。男性占い師ユニットNOTFORSALEメンバー。

●特技はどこでもすぐ寝ること
●ソウルフードは中本の冷やし味噌ラーメン

鏡リュウジ占星術

鏡リュウジ占星術TOP
鏡リュウジ占星術公式スマートフォンサイト
鏡リュウジiPhoneアプリ
鏡リュウジ占星術携帯サイト


鏡リュウジ夜間飛行