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「オカルト」とは
そもそも「隠されたもの」という意味のラテン語。本コーナーでは、鏡リュウジが気になる「オカルト」的なことをお題に選んで掘り下げていきます。

オカ研File No.15 史上最大級の巨大彗星がやってくる 1
2013/2/5


去年は天文イヤーといわれて「金環日食」「金星の太陽面通過」「月の金星食」とすごく華やかだったのは記憶に新しいよね?


そうでしたね。とくに「金環日食」は一般でもニュースになったし大勢の人が見てましたよね。日食メガネが売り切れたりして。


そうそう、あのメガネ、僕も買ったけど、なんだか随分前のような感じもするね。もう、時が経つのが早すぎてコワイ(苦笑)

で。2013年は地味な年だと思われていたのが、大きな彗星が去年の9月と11月に2つ発見されて急に華やかになりました。


みたいですね! 
今年の3月頃にやってくるのがパンスターズ彗星、11月頃がアイソン彗星。

でも正直、彗星っていうと、ハレー彗星ぐらいしか馴染みがなかったです。オカ研読者も詳しい方はものすごい詳しいだろうけど、そうじゃない方もいるはずだから、まずはちょっと彗星について解説お願いします。


彗星、コメットというのは、太陽系の果てにあるチリや氷が惑星の引力にひっぱられて、太陽系の内側に入ってくる天体です。

水星には2つのタイプがあって、1つは有名なハレー彗星のように周期的な軌道をもっているもの。もう1つは、一度太陽のそばを通過すると、もう二度ともどってこない、というもの。

彗星は、よく「汚れた雪だるま」なんてたとえられていますが、太陽の近くにやってくると凍っていたガスがとけてなびき、それが「尾」のように見えるのです。ぼーっと夜空にたなびくんですよね。


宇宙の果ての方での出来事だから、去年突然やってくることがわかったというのも壮大な話ですよね。

2つとも巨大彗星らしいですが、とくに11月に見頃となるアイソン彗星は、もしかすると満月よりも明るくなるかもしれないと言われているぐらいなんですってね。

満月はマイナス12.7等星で、明るいシリウスがマイナス1.46等星です。この巨大彗星がものすごく明るく輝くことがわかります。

しかも、彗星が近づく2ヶ月もの間、かなり明るくて肉眼で見られるという話もあるんだとか。


史上最大級の明るさで、過去2000年のなかでトップ10に入ると、国立天文台の渡部先生がおっしゃっていました。


突然やってきて明るく夜空に輝くんだから、さぞや昔の人々は驚いたでしょうね。


記録として残っている彗星は、BC7?8世紀にバビロニアで観測されているみたい。はっきりとした記録では、BC164年と87年のバビロニア、BC240年頃の中国では記述があります。夜空に突然現れるから、それは大きな天変と考えられてきたはずだよね。

 
突然現れるから色々な言い方があったみたいで、オーロラや月食や日食も含めて古代中国や日本では「妖星」といわれていたらしいです。或いは「客星」という言い方も。

これは急に明るく輝き出す星のことで、超新星と一緒にされている場合もあったようです。折口民俗学で「異郷からの来訪する神」を指す「客人(まれびと)」のまれ(客・稀)ですね。

ちょっと面白いのは、戦乱の時期に観測が多いという記述があったり、秦の始皇帝は在位4年の間に15回、彗星が観測されたりしているんですよ。

あと、新約聖書のヨハネの黙示録では、大地震、皆既日食と月食、大流星雨の3つが揃うとこの世の終わり、みたいに書かれていますね。


彗星の出現は伝統的に吉兆ではないよね。流星群というと、現代の天文学では、流星群は彗星の忘れ形見。

彗星はガスや塵の塊だから溶けた時に宇宙空間にゴミを散らかしていくんだよね。そのゴミが濃いエリアに地球が突っ込んでいくとゴミが燃えて流れ星に見えるというわけ。

いつも安定した動きをしている天体に異変が起こってる状態だからかなりのインパクトになったようで、文学の中でも多くの記述が残っています。

シェイクスピアが「ジュリアス・シーザー」の中で、シーザーが暗殺される前に彗星が現れましたとか、ひどい言い方だけど、貧乏人が死ぬときには彗星はでないが、王様が死ぬときには彗星が出るとか書いています。


歴史が記される上での大異変とか、政治が変わるとか、飢饉がおきるとか、そういう予兆だととらえられていたようですね。


古代ギリシャ哲学のアリストテレス以降のヨーロッパの考え方なんだけど、彗星は気象現象だと思われていたんだよね。

アリストテレスの『気象論』の中にそういう記述があります。アリストテレスの宇宙論(コスモロジー)というのは、科学革命前までヨーロッパを支配していて、天空というのは永遠不滅の完璧な世界だと思っていました。

永遠に変わらない世界だから突然星が現れることは起こり得ない。そういう前提にたつと彗星というのは、天空で起こっているはずがない――となると、カミナリやオーロラのように地上圏で起こっていることだと解釈したのです。

地上からガスのようなものがあがっていって、「火」のエレメントの領域が一番上という考え方だから、そこで着火されて月の動きにひっぱられて動いているのが彗星だという解釈。

ガリレオもこのアリストテレスの考えを踏襲して間違っていたんだけど、科学革命が起こった時代、天文学者であり占星術師でもあるティコ・ブラーエが彗星を観測した結果、この現象が地上ではなく、月よりも遠いところで起こっていることを発見しました。

あと、アリストテレスは王の死だとかそういう予兆はせずに、蒸気があがるから干ばつとかの原因になるかもしれないと言っていました。が、マニリウスというキリストと同時代の詩人であり占星術家は、アリストテレスの言葉を引きながら、でも彗星が現れた時に災いが起きなかったことはないということも言っています。

(つづく)

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シュガー プロフィール

Sugar(シュガー)
1983年生まれ。サラリーマンを経て、占い師。現在、個人鑑定・講座・執筆活動中。
鏡リュウジとの最初の出会いは、「ユリイカ」に掲載されていたシュタイナー研究で著名な美学者・高橋巌氏へのインタビュー。この時に覚えた違和感が、占星術へハマるきっかけに。慶応大哲学科卒。男性占い師ユニットNOTFORSALEメンバー。

●特技はどこでもすぐ寝ること
●ソウルフードは中本の冷やし味噌ラーメン

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