鏡リュウジ公式サイト BETWEEN THE WORLDS

上なるモノは下なるモノのごとく、下なるモノは上なるモノのごとく。



「オカルト」とは
そもそも「隠されたもの」という意味のラテン語。本コーナーでは、鏡リュウジが気になる「オカルト」的なことをお題に選んで掘り下げていきます。

オカ研File No.19 占星術家マッピング2
2013/8/21

◇鏡リュウジの自己イメージは?

鏡さんの場合は、アカデミックかつ理論的なアプローチを取りつつも、神話や様々なイメージを通じて星の「ストーリー」を紡いでいくところも強いので、真ん中寄りの青のゾーンに入る感じがしますが、ただ携帯サイトのコンテンツなんかを見ているとピンクのゾーンという印象も受けますね。

  
自分では火も強いけど、アウトプットは水とか地のイメージかなあ。

 
そうなんですか。水と地の合わさるピンクのゾーンはセラピー的なアプローチにあたりますが、たとえば香りという直接感覚に訴えるものを通じて心を癒そうとするアロマセラピー占星術なんか、まさにそうですよね。


◇実際に当たるかどうかを検証するグリーンのゾーン

逆に、グリーンの実証主義的な占星術は、統計学的なアプローチがそれに当たりますね。ゴークラン博士の研究とか。彼はソルボンヌで統計学をやっていたけれど、占星術の正当性を反証しようとするうちに、逆に占星術の正当性を統計学的に証明したとしてハマっていった人ですね。

まさに占星術とかかわるうちに、グリーンのゾーンに当てはまっていってしまった。実証主義っていうとなんだか小難しい感じがしますけど、例えばTwitterなんかで、話題の人物のニュースや、芸能人のスキャンダルが出たときに、まずその人のホロスコープを見てみようって反応は、それ自体、実証主義的な研究に興味があるってことなんじゃないかと思うんです。

そういう反応はわりあい多い気がしますが、その点についてはどう思われますか?

  
それはきっとグリーンのゾーンがいまの常識的なパラダイムの主流にあるからなのでは? 近代科学モデルといってもいい。

迷信とされている占いだけど、こんなに長く続いてきているのは、単なる迷信として断じきれない部分があるからだろうと。そこを探りたいということだよね。事実(土)と論理(風)に基づいて。再現性があるとかなると、統計もどきのアプローチになる。

つまり科学の見方を持込みたくなる。で、科学の対局にアーティスティックな見方があって星ってきれい、という見方になる。


◇当たるよりも「胸に響く」占いがムラサキのゾーン

 
あそこの星のかたまりはまるで白鳥が羽を広げているようだね、とか。比喩が出てくる訳ですね。ムラサキのゾーン、アーティスティックな占いは。

ロマンティックだったり、悲劇的だったり、物語になっていく。「当たった/当たらなかった」じゃなくて、「なんだかよく分からないけれど胸に響くものがある」という風にこちらへ働きかけてくる。そこには常識的なパラダイムを相対化する力がある。今の日本で広く受容されている星占いライティングって、こんなかんじ。

  
そうだね、星の動きをイメージ化したもの。そして占いをして当てるということよりも、私のことを見て私を救ってというのがセラピーのピンクゾーンになる。

 
「あなた」や「私」のあいだがらを連想させる、とてもシークレットでパーソナルなものですね。


◇シンボルの歴史や解釈、哲学を語るブルーのゾーン

一方で、この星のシンボルにはこういう歴史があって、伝統的にはこういう解釈もあって、それはじつはこういう秘密と繋がっているんだ云々といった、壮大な一大絵巻を広げていくのが右上のブルーのゾーンですね。そこには哲学や心理学などの伝統的な理論が入ってきて、なんとなくハイブロウになる。ここは主義や主張が出てきて、熱いですよね。

  
そんなブルーに対して「でも、それが一体何の役に立つわけ?」って思うのが左下のピンク。

 
「じゃあ、それがどんな意味や目的を持つのか知らないでいいの? 結局、自分の半径数メートルの話じゃん?」とピンクへ返したくなるのがブルーかな。僕なんかは、まだそうピシャリと来られると気圧されてしまって、その場でうまく言えなかったりしますが(笑)

ただそういうやり取りがあると、そこで改めて、占星術という同じ一つのことをやっていても、人によって生きているリアリティが全然違うんだということをきちんと実感できる。

  
それは大切なことだね。あと、偏見かもしれないけど、男性で占いにハマっていく人を見ると右下のグリーンから入る人が圧倒的。四柱推命や風水もこの右下ゾーンに入っている感じ。


それで言うと、こんな話があります。こないだ、知り合いが習っている風水の授業について聞いていたんですけど、墓相を見るというテーマで、ラストの回は実際に墓地にいってお墓を見ていくのだそうです。実際に、好例悪例を見ていく。とにかくサンプル数を増やす訳です。

で、悪い墓の人にアドバイスしてあげないのかっていうと、そんなことはしません、と。あくまで良し悪しの勉強なんだ、と。そこは「救う」という方にいくのでも、あるいは、このお墓にはジーンとさせられるねとか、「物語」を感じようとするのでもなくて、あくまで「実例」として見ていくんだと。

不謹慎かも知れないけれど、これは正しくグリーン的な見方ですよね。そして確かに男性に多いですね。純粋な好奇心を表す風が入るし、オタクゾーンなのかも。

あと、犯罪者のホロスコープデータを集めてたりするのもグリーンですが、大抵の場合、ホロスコープにおける決定的な要因というのはよくわからない。誠実であればあるほど、こうだから犯罪者になる/なったという方程式や結論は簡単には出せないんです。必然的に、どうしても膨大なデータを集めて地味な作業をしていくことになる。

風のやり方を実践するというのはそういうことですし、立派なオタクの方というのは、みなそうした検証のプロセスをやり続けているような気がします。

  
なんだか超心理学っぽいね。超能力があるかないかって100年以上、サイコロふるような実験を繰り返してるもの。もちろん、欧米では占星術にたいしても真摯にこのような研究は続いています。統計占星術の専門ジャーナルもある。

 
確かに超心理学も、人間に関わる事実や備わる能力(地)に対する純粋な興味(風)がないとできないですね。


◇個人を救済するのがピンクのゾーン

逆に、女性の占い師さんは水や地にいく方が多いですよね。パワーストーンを作ったり、パワースポットへのお参りなんかもピンクゾーンかな。

言葉でも物体でも、何らかの救いや実際的な効果を個人的に実感できるということが、そこでは大切になってくるのだと思います。「私だけのアイテム」「自分にとって特別な場所」といったような。よく考えたら、手相で見ていく「自分の手」って前者ですしね。

  
僕が雑誌に原稿を書きだして30年になるんだけど、これまでの流れをざっと俯瞰してみると、20年前、心理占星術がちょっとしたブームになった時代というのは、左側のゾーン(ムラサキ、ピンク)から右側ゾーン(ブルー、グリーン)に移行したタイミングだったのかな。

それまでは結婚は3年後ですよって言ってきたものが、あなたはもしかしたら本当はこういう人なんじゃないですかっていう言説が入ってきた。それが20年前からスタートしたわけだけど、2006年頃かな、スピリチュアルブームが起こってまた左下のピンクゾーンが主流になってきた感じがします。

これが女性の社会進出ともパラレルになっているとも言えるのかな。景気が悪くなってから、女性はやはりがむしゃらに社会進出するよりもかわいい自分でいたほうがトクって保守化したようなかんじもあったよね。

◇2006年の星の配置とスピリチュアル

 
2006年というと、ちょうど江原啓之さんの『オーラの泉』が放映されて人気を集めていた頃ですね。あれでオーラという言葉がずいぶん社会に浸透しました。

占星術的に言えば、この時はちょうど土星と海王星が180度をとって目立っていましたし、社会という現実的な枠組み(地)の中に訳の分からないもの、目に見えないけれど感じとれはするもの(水)が入ってきて、両者がまじりあったのだとも言えるかも。

まさに水と地の混じり合い、ピンクのゾーンの表れです。そこに素直に反応できたのが女性だった、という見方もできるかも知れませんね。(水と地はどちらも女性的なエレメント)

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シュガー プロフィール

Sugar(シュガー)
1983年生まれ。サラリーマンを経て、占い師。現在、個人鑑定・講座・執筆活動中。
鏡リュウジとの最初の出会いは、「ユリイカ」に掲載されていたシュタイナー研究で著名な美学者・高橋巌氏へのインタビュー。この時に覚えた違和感が、占星術へハマるきっかけに。慶応大哲学科卒。男性占い師ユニットNOTFORSALEメンバー。

●特技はどこでもすぐ寝ること
●ソウルフードは中本の冷やし味噌ラーメン

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