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「オカルト」とは
そもそも「隠されたもの」という意味のラテン語。本コーナーでは、鏡リュウジが気になる「オカルト」的なことをお題に選んで掘り下げていきます。

オカ研File No.20 惑星の逆行とタロットの逆位置1
2013/10/30

 
ちょうど10月21日から水星の逆行が始まっていますが、今日は「逆」をテーマにして色々お話伺いたいと思います。

タロットでは「逆位置」、占星術では「逆行」、鑑定結果などでこの2つが出ると皆さん、必ずといっていいほど「悪いことが起きるんですか?」と訊かれますが、実際のところはどうなんでしょう?


ぼくたちの世代より上の人たちだと思うけれど、少し前の占いファンでは「逆運」というと、すごく悪い運を表わしていたようなんですよね。そこまでいかなくても「逆境」なんていう言葉もあるし。だから、「逆」という感じがつく占い用語って、一般の方には必要以上にコワイものだと思わせてしまう面もあるんじゃないかと思います。

まあ、占いの言葉って、ちょっと「鬼面人を驚かせる」くらいのほうがウケがいいし、全部何がなんでもいいことにしちゃうというニューエイジ的な読みもどうかと思うけれど、今回はそのあたりも含めて、「逆」のシンボリズムを深めていければいいなと。
まずは惑星の逆行から。

まず、大前提として惑星が惑星たる所以は逆行するからだよね。惑星とは「惑う」星。フラフラするものです。月と太陽は逆行しないから、逆行がある星こそが惑星、という言葉にふさわしいかもしれないね。

で、ぼくたち占星術好きがよく注目するのは水星の逆行だよね。


はい、水星の逆行はすごく規則的で、約4ヶ月に一度、3週間ほど、しかも1年間は同じエレメントで逆行が起こりますし、意味も取りやすいというか、ともかく“使いやすい”ですからね。


この記事をみてもらっている方はもちろん、ご存じでしょうけれど…そこで勘違いしないでほしいのは、逆行といっても見かけ上で逆の動きに見えるだけで実際に逆向きに動いているわけではありません。

2世紀のプトレマイオスが完成させた宇宙観が、近代初期までヨーロッパの宇宙観を支配していたわけでしょ。その宇宙観はいわゆる「天動説」だった。より正確にはジオセントリック、地球中心説ね。地球から見ると、惑星は時折、逆に動いたり、ループを描くように見える。これがずっと謎だった。

天体は完璧なはずだから、完璧な運動、つまり、等速円運動をするはずだと考えられていたわけだけど、この理論は実際の観測とあわない。太陽を中心におくと、すんなりこの運動は説明できるんだけど…

この宇宙観の大転換を起こすコペルニクスまで千数百年またなきゃいけなかったんだよね。でも、地球中心に見ると、惑星の動きはとても優雅なダンスのようにも見えて、意味深い。


あくまで地球視点での、見かけ上の動きということですね。

でも、逆行期間は惑星がイレギュラーな動きになるから、本来の意味がいびつな形で出ると考えられる。水星は、交通とかコミュニケーションの星。水星の神マーキュリーは伝令の神ですから。

で、よく言われがちな水星の逆行の解釈としては、交通機関の遅れといったことから、スケジュールのリスケ、言った・言わない、送った・きてないといったコミュニケーションのこじれであったり、昔の恋人から連絡があるとか、或いは無くしたモノが戻ってくるなどといったものがありますよね。

かねてから考えているんですが、こうした逆行の解釈というのは大きく分けて3つに分けられると思うんです。

それは「いい間違い」、「すれ違い」、「やり直し」の3つです。

それらを考えていくと、逆行というのはそれ自体は悪いことじゃなくて、ただ通常とは異なる意味の表れ方がそこで起きている、ということなんですよね。


なるほど。それで、いい間違い、すれ違い、やり直しね。

逆行はreverseって勘違いしている人がいたりするけど、正しくは、retrogradeだよね。他にもこの惑星の逆行を意味する単語を出していくと「r」と関わりが多い気がする。returnとかrevision,retreat, reunionとか…。

つまり日本語でいう「再」という意味合い。再考とか再発見、再会ね。

心理学的にいうと、いったん自分の無意識の中に沈み込んだり、抑圧していて見ないふりをしていたものが浮上してくるとか、そういうイメージがある。


例えば、「言い間違い」をしてしまうのも、潜在的な習慣やクセが顕在化する。隠れていたものが洗い出される、転じて自らを知る気付きのチャンスとも言えそうですね。言語連想法で反応が遅くなる言葉群にコンプレックスの陰を見出すのと近いかも。

あとの2つも一応説明を加えておくと…「すれ違い」。これは、意思疎通の不成立であり、うまくまとまらない状態、がっかり感。転じて、既存の選択肢の調整改変、第三の選択肢考案、異質なものとの出会いのチャンスと言えそうです。

そして「やり直し」、これは振り出しに戻る、無駄骨、徒労感。転じて、過去の再評価、再選択のチャンスですね。

とはいえ、鑑定とか講座であがる声なんかを聞いていると、やはり逆行をネガティブにとらえてる人というのはたくさんいらっしゃいますね。出生図でも逆行が多いと「私の人生、大丈夫でしょうか?」と真剣な顔で尋ねてこられる方さえいる。僕としては、もっと逆行をチャンスとして捉える視点があってもいいと思うんです。

そこで、惑星の逆行解釈をタロットの逆位置のイメージと照らし合わせていってみませんか? イメージの連想ゲームみたいな感じで。そうすれば、より逆行現象そのものの豊かさを楽しめるんじゃないかなと。


あ、それ面白いかもね。文字通りに受け取られるとなんかちょっと違うという気もするけれど、シンボルの意味を拡充するレッスンとしてのゲームとして、ちょっとやってみる?



(つづく)

ー 他コンテンツ紹介 ー

シュガー プロフィール

Sugar(シュガー)
1983年生まれ。サラリーマンを経て、占い師。現在、個人鑑定・講座・執筆活動中。
鏡リュウジとの最初の出会いは、「ユリイカ」に掲載されていたシュタイナー研究で著名な美学者・高橋巌氏へのインタビュー。この時に覚えた違和感が、占星術へハマるきっかけに。慶応大哲学科卒。男性占い師ユニットNOTFORSALEメンバー。

●特技はどこでもすぐ寝ること
●ソウルフードは中本の冷やし味噌ラーメン

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