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「オカルト」とは
そもそも「隠されたもの」という意味のラテン語。本コーナーでは、鏡リュウジが気になる「オカルト」的なことをお題に選んで掘り下げていきます。

オカ研File No.20 惑星の逆行とタロットの逆位置3
2013/11/8

 
土星の逆行はいかがですか? ぼくは吊られた男の逆位置のイメージが浮かびます。一言でいうと、解放。固定観念を手放すということにテーマを持つということで、これは分類でいうと「すれ違い」かな。


外惑星の逆行って、当たり前だけれど、ホロスコープからみると太陽とその惑星が向かい合っているような状況でしょう。逆行エリアは、120度くらいの幅があるにしても常に太陽とは反対側にある。

太陽と向かい合う土星。現実(土星)と認識(太陽)が向かい合っているわけだよね。現実とか責任に対してまっすぐにうけいれることができない、けれど、それをつきつけられている期間、というイメージかな。

 
その「現実とか責任」を、「常識や偏見」と読み替えると、ポジティブな意味合いに変わってきそうですね。どちらも土星ですから。それから他にタロットでいうと、力の逆位置とか? オイラもう野生に生きるぜ!みたいな。

 
土星逆行の人は、エリザベス二世 アンネ・フランク マリリン・モンロー ルイス・キャロル デカルト アレン・ギンズバーグ。

 
ありきたりな現実や古い慣習をはねつける感じ?

 
あとは、ジャクリーン・オナシス エリック・サティ コリン・ウィルソン。

 
うーん、アウトサイダーなのかなー。正道にいない感じがする。

 
でも、エリザベス二世は正道中の正道。

 
確かに、思いっきり権力や権威の大本営ですしね。それだと何か、時代にそぐわないことは廃止するみたいな感じでしょうか。つまり土星逆行は、正道とは何か、ということについて深く考えさせると言えるかも。

それから、吊られた男の逆位置というと、ぼくは解放以外に、マゾヒズムも感じます。“痛み”ということに対して感じ方や捉え方が普通と違う。土星とマゾヒズムに通底するものを感じるのも、なんというか、共通して自分で自分を鞭打つ感じがするんですよね。いずれにせよ、ストイックさと、その裏返しの解放感というところに鍵があるような。


悪魔の逆位置でもありそう。金星逆行は快楽にふけるけど、土星の逆行は、権力とか物質とか栄華とかを貯めこむイメージ。金星(ヴィーナス)のお父さんは土星(クロノス)だし。


なんかそれだと、最新モデルの高級外車のってる金満坊主みたいな感じですね(笑) 土星逆行もやはり両極端で、その揺れが激しいということかな。



◇トランスサタニアンの逆行


ではトランスサタニアンはどうでしょうか。まず1年のうち5カ月ほど逆行している天王星ですが、天王星は奇行ですね。


天王星逆行というと、カサノバ、チャップリン、ヒトラー、チャールズ・マンソンがいます。

タロットでいえば魔術師の逆位置かな。奇をてらう、詐欺、魔術師とかのイメージ。策に溺れる、違法行為、占い師という言葉が連想される。


狂気、あるいは無責任。あるいは、誰も先を見通せないような未知に首をつっこんで翻弄されたり、その力に多くの人を巻き込んだりしているイメージですかね。ヘンなことを知りたくて勉強したいとか。ちなみに僕も天王星逆行です。

いずれにしても、社会を煙に巻くようなスキャンダラスさやトリッキーさがありますね。半ば自覚的に環境の中に違和感を発生させんとする、そういう意味では「すれ違い」とも言えるかな。

その点、海王星は、超幻想でしょうね。もう、本物の天然ボケ。


ボブ・ディランにゴーギャン。詩人に楽園幻想。これは女司祭の逆位置かな。


星の逆位置でもいけそうですね。ザ・夢想。子宮回帰願望、産道からの「やり直し」。


冥王星は、徹底的にやってそこから再生する、そのプロセスの中にいて何度もやり直す感じかなー。

 
タロットで言うと、運命の輪の逆位置ですかねー。カルマという言葉がぴったり。同じテーマで何度も輪廻転生させられてたり、家系の縁が何世代にも渡って繰り返されるイメージかな。結局そこからしか、本当の意味で新しいものは生まれようがないというか。これもある意味、究極の「やり直し」ですね。


人物でいうと、冥王星逆行にはD・H・ローレンス ニュートン プレスリーがいるね。


うーん、チャタレイ夫人で有名な性と愛の文学者ローレンスに、生まれ変わりというか、死んだけど実はまだ生きてるという都市伝説がまことしやかに囁かれるキングオブロックンロールのプレスリー、そして近代科学の祖であり、最後の錬金術師でもあったニュートンですか。なんだか謎めいたラインナップですね。


冥王星を深い変容と考えると、錬金術はそうだよね。


タロットの意味を逆位置だからこうとか丸暗記すると面白くないんですけど、例えば愚者のカードの絵では、太陽が昇っているように見えます。それが逆位置になると、逆に海へ沈んでいくようにも見えますから、陽の光に向かってる正位置の愚者のイメージの反対ととらえられる。だから故郷や家に帰っていくイメージにつながるとも言える。別に過去を捨て新しい世界に飛び込んでいくだけが、自由や無邪気さではない。


そうだね、逆行とか逆位置は、視点を変えること。それ自体が吊られた男みたいなもので、反転して見るってこと。


いつも見てるアウトラインじゃなくて、こういうふうにも見えるよね、という騙し絵でいうもう一つ別の見え方に気付けると、その惑星のテーマが深まって、もうひとつの選択肢がでてきたりします。そういう捉え方ができるのは豊かですよね。


逆という言葉を否定的にとらえないで、視点を変えるってことが大切だよね。迷ったとき占ってみるということはつまり、もうひとつの視点を持つってことだからね。

考えてみれば、合理的な思考が主流を占めているこの時代のなかで、占いを見るということ自体、「逆」の発想をするということでもあるし。逆と順をいききする惑星の動きと自分を重ねてみるのも楽しいはず。


(了)

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シュガー プロフィール

Sugar(シュガー)
1983年生まれ。サラリーマンを経て、占い師。現在、個人鑑定・講座・執筆活動中。
鏡リュウジとの最初の出会いは、「ユリイカ」に掲載されていたシュタイナー研究で著名な美学者・高橋巌氏へのインタビュー。この時に覚えた違和感が、占星術へハマるきっかけに。慶応大哲学科卒。男性占い師ユニットNOTFORSALEメンバー。

●特技はどこでもすぐ寝ること
●ソウルフードは中本の冷やし味噌ラーメン

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