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「オカルト」とは
そもそも「隠されたもの」という意味のラテン語。本コーナーでは、鏡リュウジが気になる「オカルト」的なことをお題に選んで掘り下げていきます。

オカ研File No.31 スーパームーンの中秋の名月。夜空を見上げましょう 1
2015/9/25


今日のお題はスーパームーンです! じつは今日(収録日:8月30日)もそうですね。年に4、5回あるからそんなに珍しいわけではないですが、今度の9月28日は中秋の名月とスーパームーンが重なるのでちょっと注目してみたいと思います。



地球をめぐる月の公転軌道は真円ではなく、いびつな楕円形。だから、月に一度、地球に接近します。このときにたまたま満月や新月が重なるのがスーパームーンというのが一応の定義。とくに満月のスーパームーンが注目されがちですね。ふだんより月が大きく見える、という。まあ、実際にはふつうの感覚では月が大きく見えるという実感はないんですけどね。

このスーパームーンという名前は、アメリカ人の占星術家リチャード・ノルが1979年に提唱しだしたもので、「デル・ホロスコープ」という占星術雑誌に発表したのが最初ということらしい。いまでは天文学の方たちも「スーパームーン」という言葉を使うようになりましたが、もともとは占星術から出た言葉といっていいですね。

伝統的な占星術の用語ではないものの、ノルさんは占星術業界ではよく知られた人物ですし、小天体のカイロンについても詳しい本を出していることもあって、業界内部では知られていました。僕も、4,5年前からからな、アンアンをはじめ一般誌でも紹介しはじめていたんです。

それが、最近になって天文雑誌でもスーパームーンという見出しが出てきたので驚いている次第です。

もちろん、天文学ではスーパームーンに何か特別な意味を見出しているわけじゃないけれども、スーパームーンという言葉がキャッチーなので、何か月をはじめ空を見上げるきっかけになればいい、ということでこの言葉を使い始めたようですね。



リチャード・ノルはスーパームーンの前後では大きな自然災害は起こりやすいのではないかといっていますね。日本の3.11についても言及してるし、20世紀最大の被害をもたらしたフィリピン・ピナツボ火山の噴火(1991)や、過去100年のうち死者・不明者数で最大の大地震のうちの一つであるトクルメニスタン・アシガバート大地震(1948年)、アメリカのテキサスで8000〜12000人の死者・不明者を出したハリケーン&高潮(1900年)などの例を挙げています。ただ3.11のときのスーパームーンは3月19日でしたし、もちろん天文学者やNASAなどもそれらの自然災害の原因がスーパームーンにあるという科学的根拠はないという趣旨のコメントを出しています。



スーパームーンは年に数回あるし、自然災害も世界規模で見るとあちこちで起こってるわけだから、まあ、合致する可能性は高いよね。



潮汐力には多少影響があるから、浅い層に震源のある地震の場合は関係があるかもしれないという説はあるようですけど……。



もしかしたら地震が起こる最後の最後のトリガーにはなるかもしれない、という気はするけれど、僕らは科学者じゃないからそのあたりはわからないとしかいいようがない。

このスーパームーンのときに、月が大きく見えるというのも、普通に肉眼で見るだけではわからないくらいだよね。そもそも月の大きさが変化して見える現象はまだ解明されていないらしいんですよ。目の錯覚なんだって。だから写真でとったら同じ大きさに写る。これも面白い話だよね。



なるほど、それは興味深いですね。そういう意味では、僕も鑑定でスーパームーンは占星術的にどう解釈しますかって訊かれたことがあるんですよ。

その方の場合は、自分の中の月が大きくなって、大暴れしちゃいましたと。それが一人だけなら思い込みか、たまたまで済むかも知れませんが、一人だけという訳でもなかったので、そういう解釈が広まっているのかな?となんとなく思っていました。で、あるいはこれも、「スーパームーン」という言葉が使われはじめたことと関係あるのかな、と。



それこそが「月の魔力」だね。月はもともと存在感が強いうえに、スーパーがついたというネーミングも秀逸。



日本人にとって月というのはやはり馴染み深いですしね。少なくとも、他のどの天体よりも確実に人々に観測されている。



春分や秋分も太陽の話なんだけど、これは季節の話になってしまうからね。人が日常的に意識しやすいのは月ということだと思う。

占星術的な解釈としては満月の特別バージョンだとすると、感情が大きく揺れるという解釈ができるよね。



今度の9月28日は牡羊座の月がIC(天底)にあって、土星とトライン、そして皆既月食でもあります。月と土星の組み合わせは、自分がなにものによって生かされ(月)、また自らの生をどう終わらせていくのか(土星)といった「死生観」と関係してくると捉えることもできると思います。だから、そんな琴線に触れてくるものが出てきやすいのかな、とか。



天底の月というと、自分の居場所みたいなものが揺さぶられる感じかな。ふだんできなかったことをやってみるとか、感情をどんと表にだしてみるといいかも。あと、牡羊座だから何かのスタートとなりそう。



そもそもの話、占星術をやっていると、月というと、母性とかやすらぎとか、そういうやさしいイメージが強いですが、本来はもっとおっかない、恐怖の対象というイメージというのもありますよね。



なんといてもルナシー(狂気)だからね。



だからもし昔の人が、スーパームーンという言葉を使っていたら、例えば子供はおばあちゃんに「スーパームーン?そんなの絶対にみちゃだめ!」とか言われてそうだなって。



シェイクスピアの『オセロー』に、

「月だ、月が地球に近づいたから狂い出したのだ」

という台詞もある。



月は人を狂わせることもあると思います。古代ギリシャのヘラクレイトスが「湿ったものになることは魂にとっての喜びであり、あるいはまた死である」と書き残していますが、占星術的には最も「湿」の性質が強い惑星が月です。

月下天。月より下の世界がこの世で、月が神々の世界への入り口だったりする。それが近づいてくるというのは、あの世が近づいてくる感覚な訳ですからね。これは“怖い”。



sub lunar だね。subはunder だから、月より下の世界。アリストテレス的世界観では、月の軌道より下の世界が四大元素に支配された感覚世界。それより上の世界はエーテルによる、完璧な世界だと考えられていた。

また伝統的な占星術の書をひもとくと、月はほかの惑星たちの力を最後に仲介して地上界に伝えるものでもある。

月が母なるものであるというのはわかりやすいけれど、生命の与え手である月は、永遠なるものをこの限界ある地上に受肉させる力をもつわけで、それは生命を奪う力にも通じる。まさにwomb tomb、子宮と墓は表裏であるわけで、理性では太刀打ちできない摂理の究極のステージを支配しているといってもいい。

(つづく)

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シュガー プロフィール

Sugar(シュガー)
1983年生まれ。サラリーマンを経て、占い師。現在、個人鑑定・講座・執筆活動中。
鏡リュウジとの最初の出会いは、「ユリイカ」に掲載されていたシュタイナー研究で著名な美学者・高橋巌氏へのインタビュー。この時に覚えた違和感が、占星術へハマるきっかけに。慶応大哲学科卒。男性占い師ユニットNOTFORSALEメンバー。

●特技はどこでもすぐ寝ること
●ソウルフードは中本の冷やし味噌ラーメン

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