鏡リュウジ公式サイト BETWEEN THE WORLDS

上なるモノは下なるモノのごとく、下なるモノは上なるモノのごとく。



「オカルト」とは
そもそも「隠されたもの」という意味のラテン語。本コーナーでは、鏡リュウジが気になる「オカルト」的なことをお題に選んで掘り下げていきます。

オカ研File No.41 『宇宙と芸術展』で星曼荼羅見てきました【1】
2016/10/6

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『宇宙と芸術展』で星曼荼羅見てきました【1】
  Juno×鏡リュウジ
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きょうは、占い師ユニット「not for sale.」のリーダー、Juno君と一緒に、六本木ヒルズ開催中の「宇宙と芸術展」をみてきました。

http://www.mori.art.museum/contents/universe_art/

僕が今回、Juno君を誘ったのは、ずいぶん前に「宇宙ヤバイ」というキーワードを教えてもらったからなんだけど……。「宇宙ヤバイ」をキーワードに何か活動していたんですよね? 「宇宙ヤバイ」って一体何なの?


Juno
数年前から「宇宙ヤバイ」というのが、ネット上で騒がれていたんですよ。宇宙は、想像以上にすごいことになってる、肌感覚で理解できることを超えてる、意味わからない、と。それで「宇宙ヤバイ」というフレーズがネット系のニュース上で流行ったんですよ。

「ダークマター」とか「ヒッグス粒子」などの発見によって、パラレルワールドとか、ベビーユニバースが証明され始めたり、宇宙論が逆に輪廻転生の仏教コンセプトに寄ってきたりとか……。それで、もうここらへんを全部まとめて「宇宙ヤバイ」と(笑)。

それで、僕も占星術師界隈の仲間で集まって、最新科学を文系的な目で意味解釈論をたててみようということで研究会やってたんです。まあ、宇宙論の文系意味解釈論者ということで。スピリチュアリティ・ミーツ・テクノロジーというアプローチですね。内的宇宙から外的宇宙につなげようと。



そういえば、数年前に「仮面ライダー」まで宇宙から来た設定になっていたなあ。


Juno
そうですね、近年は映画も「宇宙ヤバイ化」が進んでいます。最新のテクノロジーで、神様とかスピリチュアリティを映像表現で説明しようとしているのが多い気がしますね。『ゼロ・グラビティ』もそうだし『インターステラー』、『ルーシー』もそうですね。あそこらへんの映画は神様の表現を五次元にしようとしていますよね。

宇宙そのものが今までは理論物理学の世界だったのが、観測対象になったんですよね、この10年で。望遠鏡で138億年先まで見えるようになった。観測対象になったということで、映像でも表現しようという流れが一昨年ぐらいからきてるなって思っています。今年なんて火星ブームですよね。『オデッセイ』も『テラフォーマーズ』もあります。



もともとは、スピリチュアリティとコスモロジーはセットだったんですよね。別れたのが、近代科学がスタートした16−17世紀。ニュートンまでは宇宙とセットで神の存在を証明しようとしていた。懐かしいところではアーサー ケストラーは、ケプラーの伝記を書いた時にそのタイトルを「夢遊病者」としていたのがうまいところ。

初期近代の科学者たちは、神の存在を宇宙論的に証そうとして、結果的に伝統的な神の存在を否定する方向に進んでしまった。まるで夢遊病者のようなもの、という。

でも、今の宇宙観もすごい畏怖の念をかきたてますよね。さらにそれは当然、新しい芸術の地平を切り開く。通常の時空の認識や枠組みを超える世界を開くし。


Juno
今回の展覧会も『宇宙と芸術展』で「アンド」が入ってます。「宇宙は芸術」で「芸術は宇宙」なんだから、これは、ほんとはイコールだなって思ったんですけど、どうでしょうか?



そうですよね。歴史的にアートという言葉の価値が高まったのは最近の話かもしれません。アルス(ラテン語で芸術)というのは手仕事や職人芸で、いまでこそ立派なものだと考えられているけれど、西洋の伝統ではやはり抽象的な思弁のほうがエライと思われていた時代が長かったわけで……。それがルネサンスから近代にかけてだんだん立派なものに考えられていったということもあるよね。


Juno
今日、見ていて、「宇宙と芸術」の裏テーマとして、「テクノロジーの進化」が密接に関係していると感じました。それぞれの時代の最新テクノロジーで宇宙を探索していたんだなと。同時に望遠鏡の登場以後は、もしかしたら、目に見える遠くの宇宙ばかりを探索し過ぎていたんじゃないかと。



今日の展示はいろいろバリエーションに富んでいて、一番古いものだと竹取物語の絵巻なんかもあるわけだけど、単なる時系列になっていないのが面白いところでした。

展示は、曼荼羅から始まってます。曼荼羅はテクノロジーとしての瞑想で宇宙の存在をつかみだしたときの表現だから、当時の最先端のコスモロジーを表現しているということになる。


Juno
今回の展示で面白いのは、2つの宇宙があって1つが外的な宇宙と、まさに曼荼羅のような内的宇宙。この2つが同時に展示されているのが非常に面白いところでした。



その内的として捉えだしたのは、たぶん、やはり16、17世紀あたりだと思うんですよ。曼荼羅やっている人たちはそもそも内も外も意識していないんじゃないかと。


Juno
ああ、そうですね。そもそも外的な概念がないですね。コスモロジーとして一体なわけで。大宇宙と小宇宙の境界はなかったわけですね。



彼らは天体望遠鏡を持っていなかったから。人間の知覚というか意識そのものを観測道具にして研ぎ澄まし、さらには意識そのものを観測対象とする方向にいったんだと思います。普通の五感ではとらえられないこの世界の成り立ちを瞑想というテクノロジーで悟って把握しようとした。その結果が曼荼羅によって表現されているということだと思うんだよね。

ところで、僕がこの展覧会にきたかったのは、「星曼荼羅」が展示されているときいたからなんです! 図版では見たことあるけれど、実物はみたことなかったので。14世紀のものですが、これはホロスコープ占星術の広がりの凄さだと思うんですよ。




「星曼荼羅」久米田寺 所蔵

もともと12宮はバビロニアで発祥し、ギリシャにいきエジプトにいきインド、それからまた西にいってラテン世界にいきました。その西にいったのが今の西洋占星術。

今度それがアラブにいって、アラブから西にいってラテン世界に戻る。

もう一方の流れはそのまま東にいってインドへいって、インドから中国にいき日本にきたのが平安時代。バビロニア紀元のホロスコープ占星術がヴェーダの教えや仏教と習合し、日本に密教占星術として入ってくるのが平安時代。8世紀ですよね。

(つづく)

ー 他コンテンツ紹介 ー

Juno プロフィール

メンズ占い師ユニットnot for sale.のリーダー。占い師を「問題解決者」と位置付け、従来の占い師の枠にとらわれない活動を展開。アニメやファッションイベントとコラボしたアジアでの占いツアーにより、経産省COOL JAPAN政策の支援コンテンツに占いが採択される。Technology×Spiritualityをテーマに、仲間たちと「宇宙ヤバイ研究会」を細々と展開している。最近は、ワインエキスパートや利酒師の資格を取得し、星とお酒のコードを読み解こうと奮闘中…。

http://not-for-sale.jp

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