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「オカルト」とは
そもそも「隠されたもの」という意味のラテン語。本コーナーでは、鏡リュウジが気になる「オカルト」的なことをお題に選んで掘り下げていきます。

オカ研 File No.4 マヤ暦&アセンションの真相は? 2
2011/12/12



「アセンション」の系譜はもっと詳しく調べてみないといけないなあとは思うけれど。そういえば、マヤ暦とかアセンションって言っている流れって、ハーモニック・コンバージェンスを推進していた人らとつながっているよね?


はい、70年代のホールアース・フェスなんかともつながってますね。みんなで集まって新時代を祈念したり祝ったりという。


うん、たぶんそうしたカウンターないしオルタナテイブなカルチャーを志向した人たちとはつながっているとは思う。

87年に太陽系の惑星がグランドトラインを2つきれいにとったときがあったんだけど、その頃はニューエイジ全盛で地球の意識が変わるときだといわれていて、あちこちでフェスとかあったんだよね。

日蝕なんかもそうだけど、レイブ的なというか・・・。その時にマヤ暦の予言サイクルにあわせた瞑想と芸術の催しみたいなのがハーモニック・コンバージェンス。

あ、というか、ハーモニック・コンバージェンスのときに瞑想しよう、新しい時代が始まるから、って提唱したのはホセ・アグエイアスだった!

ハリウッド女優のシャーリー・マクレーンなんかも、この動きにのっていたから、いまのアセンションブームとかマヤ暦の話って、ここからだといってもいいかもね。


ホールアースフェスなんかは、ジョブズなんかもかなり影響をうけたみたいですね。そうか、だから代理店で働いてたり、DJやってる友達たちは反応しているのかな。偶然だと思うけど、わかりやすい記号が揃ってますね(笑)


うーん、ホールアース・カタログは文化的な影響はかなり大きいよ。ニューサイエンスやエコロジーやフェミニズムや、とにかく主流文化の問題点を指摘してそれをアートとテクノロジーの力もかりつつ、のりこえようとしていく文化運動だから。

松岡正剛さんの画期的な雑誌「遊」だってその影響を受けて登場したでしょう? 僕もリアルタイムではないけれどえらくかっこいいと思う。坂本龍一さん的なものの源流かもしれないなぁ。


テクノって意味じゃPerfumeまでつなげて議論したくなりますね(笑) テクノロジーとスピリチュアズムが溶け合って生まれた果実として。

そうそう、僕が営業マン時代にある契約の更新にいったとき、そこの会社の社長さんから「キミはアセンションする側?」って訊かれたこともありましたよ。それで僕はきょとんとしていたら、「じゃあ、いいや」と契約更新できない流れになり、アセンションの本を一冊読みました(笑)。それで1週間後にもう一度話をしにいったら、契約更新してくれたんですよ。これ、2007年です。


きっとその頃、自己啓発セミナーとかでも薄まったかたちでアセンションが広がっていたんだね。

僕も2年前かな?自分が出した手帳の取材を受けたときに、暦つながりでアセンションの話を訊かれたことがあったな。その時のライターさんが、アセンションするためのツアーなんかが高価で販売されているとも言っていたっけ。


あと、これは男性が多いですが、アセンションの話をすると陰謀論とつなげる人もいますね。


自分が世界の秘密の中心に近いところにいるって思いたいんだね。

日本のナショナリズムにも結び付けてるっていうのも聞いたことがある。この美しい日本に生まれたことが既に特別だ、感謝すべきだ、と。


歴史や自分の人生を分節化していくんですね。平たく言ってしまうと、生きる意味とか自分の生きてる感を創りだすときには、時間的な分節が不可欠ということなんだと思います。


そこらへん、占星術はよくできているよね。終末論ももちろんいっているけど、星は永遠に回る。永劫回帰と一期一会の視点が両方入っている。


まさにそうですね。占星術的に2012年をみると、2008年から形成されているカーディナルクライマックス(木星以遠の動きの遅い天体が複数個活動宮に入り角度を形成すること)の中で、2012年6月には「刷新の天王星」と「死と再生の冥王星」が初めて正確に90度をとります。

しかもそれが2015年まで合計7回ある。これをアセンションと結びつけようとする人もいるみたいですね。

ただ一般にアセンションというものが語られるとき、どうも前提として直線的な時間モデルがあってそれが突然消失するイメージを思い浮かべている気がしますが、そもそも占星術に直線的な時間はありませんね。

星はぐるぐる回っているから円。永劫回帰で周期性がある。だから占星術の観点でみると、アセンションみたいなことって昔からよくあることだよね、という印象です。


そう、季節の変化みたいなものともいえるね。西洋の伝統では、時代を「四季」にたとえているものがあるの。西洋の時間は直線で東洋のそれは円環だというのが通俗的理解だけれど、よくみていくとそればかりじゃない。

終末論(エスカトロジー)というのは一神教でとくに発達するけれど、そこと占星術の円環が結びついていく。このあたりはニコラス・キャンピオンの『The Great Year』というすごい本が徹底的に追いかけています。

その近代版で、有名どころでは「エイジ・オブ・アクエリアス」かな。春分点が魚座から水瓶座へとシフトするときにニューエイジが訪れるという。1962年の水瓶座への惑星集合のインパクトもあったよね。ミュージカル「ヘアー」での「エイジ・オブ・アクエリアス」という曲もヒットしたらしいし。もちろん僕はリアルタイムじゃないけど。

その前のルーツは、リバイ・ドーイングという霊媒的な人がアカシックレコードを読んで書いたという『水瓶座福音書』。日本では霞が関書房から翻訳が出ていて、僕よりちょっと上の世代の占星術家たちにはかなり影響を受けていた人もいましたね。


そういえば、アセンションについて調べていたら、プラトン月に基づく春分点の星座移動に絡めて、魚座時代のエネルギーは男性中心社会を称揚しエゴが強化され、水瓶座時代は逆に女性的で智恵と魂の喜びを称揚するという説明をしている人もいました。一般的な占星術の解釈とずれていると思うんですが、これ面白くないですか?


うーん、当時、魚座は犠牲の星座だったと言われていたからね。だからキリストは死ななくてはいけなかった。ないし、人びとが犠牲になる。そういう意味じゃさっきの解釈もそれなりに妥当性はあるかもよ?

あるいは魚座は二匹の魚だから二元論的、善と悪が分裂するという。それで水瓶座になって知性の時代にうつる。あ、このことにかんしての解釈はあのユングも書いています。詳しくは僕たちの親友でもあるマギー・ハイドさんの『ユングと占星術』に詳しい。

水瓶座は明るい未来のビジョン。1980年代には「透明な知性」が科学と宗教を統合し未来を導いていくと、マリリン・ファーガソンは書いていた(『アクエリアン革命』)。
それで人々の意識が結びついていくというもの。あとはオフィスにいかなくても大丈夫、みたいなことも書いていたよ、たしか。

トフラーの『第三の波』とか「未来学」などといっていた流れが流行していた。情報化時代が新しい未来を造るという。オフィスはペーパレスになるとかね。トフラーはいわゆる「ニューエイジ」ではないけれど、新時代の予感を人々が感じていたのはたしかで、そこと接続されたかたちでアクエリアンという占星術シンボルが使われた。その流れのインスピレーションのもとにホールアースなんかがあった。

だからジョブズが影響をうけたといわれるのはもっともで、現在進行形で、アクエリアンなアイドルはジョブスということになりそう。

もっとも、その意味では80年代的なニューエイジはなかば実現しているといってもいいのかも。


捉えようによっては、しょっちゅうアセンションしてるもんですね。人類って(笑)




ニコラス・キャンピオン『The Great Year』"http://www.amazon.com/Great-Year-Astrology-Millenarianism-Tradition/dp/0140192964/ref=sr_1_4?ie=UTF8&qid=1321850492&sr=8-4

マギー・ハイド『ユングと占星術』http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A6%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%A8%E5%8D%A0%E6%98%9F%E8%A1%93-%E3%83%9E%E3%82%AE%E3%83%BC-%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89/dp/4791756959/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1321850624&sr=8-1

マリリン・ファーガソン『アクエリアン革命』http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3%E9%9D%A9%E5%91%BD%E2%80%95%E2%80%9980%E5%B9%B4%E4%BB%A3%E3%82%92%E5%A4%89%E9%9D%A9%E3%81%99%E3%82%8B%E9%80%8F%E6%98%8E%E3%81%AE%E7%9F%A5%E6%80%A7-%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%82%BD%E3%83%B3/dp/4408100048


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シュガー プロフィール

Sugar(シュガー)
1983年生まれ。サラリーマンを経て、占い師。現在、個人鑑定・講座・執筆活動中。
鏡リュウジとの最初の出会いは、「ユリイカ」に掲載されていたシュタイナー研究で著名な美学者・高橋巌氏へのインタビュー。この時に覚えた違和感が、占星術へハマるきっかけに。慶応大哲学科卒。男性占い師ユニットNOTFORSALEメンバー。

●特技はどこでもすぐ寝ること
●ソウルフードは中本の冷やし味噌ラーメン

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