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「オカルト」とは
そもそも「隠されたもの」という意味のラテン語。本コーナーでは、鏡リュウジが気になる「オカルト」的なことをお題に選んで掘り下げていきます。

オカ研File No.40 イギリス占星術協会大会レポート【1】
2016/12/12

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イギリス占星術協会大会レポート【1】
  シュガー×田中要一郎×鏡リュウジ
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参考:イギリス占星術協会
http://www.astrologicalassociation.com/



今日はイギリス占星術協会の大会参加レポートです。一緒にいったシュガーさんと、かの『クリスチャン・アストロロジー』を翻訳された田中要一郎さんにいらして頂きました。


田中
よろしくお願いいたします。
今回初めてカンファレンスに参加させていただきました。



どういったいきさつでカンファレンスに参加することになったんですか?


田中
『クリスチャン・アストロロジー』の出版のときに、推薦文と解説を鏡さんに書いていただきました。それがきっかけで、去年の9月に鏡さんと出版記念トークイベントが新宿の書店・紀伊国屋さんで開催されたんです。そこで初めて鏡さんにお会いして。それからたびたびお会いしてはお話させていただく機会が多くなったんです。その時に、今回のカンファレンスに誘っていただいたので、参加させていただきました。



そうだったんですね。カンファレンスは今年で48回目ということなので、なんと鏡さんと同い年ですね!



ほんとだ、そう思うと感慨深いがものがあるねえ(笑)
まあ、僕のことはさておき、田中さんはなんといっても英国占星術の古典中の古典である「クリスチャン・アストロロジー」の翻訳者なんだから、一度は英国の占星術の今のシーンをご覧になっておいたほうがいいのでは! とお誘いしました。旅の仲間は多いほうがいいしね。



そして、今回は、なんといっても鏡さんがレクチャーされました! 日本在住の日本人では初めてのことだそうで、栄誉あることですよね。まずは、どのような経緯で依頼があったかを教えてください。


↑「イギリス占星術協会 2016年カンファレンス」のプログラム


じつは大会でレクチャーしている人は、自分で申し込んでやっている人も多いんですよ。でも僕の場合は主催者側から依頼があったから、そういうケースもあるんですね。僕はなんといっても20年以上も前からずっと大会には顔出してるんだから、そろそろ一回ぐらい話せということだなと思いました。



長年の友人であるマギー・ハイドさんからも言われてましたよね?



そう。ここ数年ずっと言われてた。でもさすがに英語のレクチャーだからね、自分の英語力では無理、と言ってました。さらにいうと、僕は英国の占星術を日本に紹介している仕事をしているんだから、本場の英国の人たちに何ができるだろう、という思いもあったんですよね。ところが突然、主催者の方から直々にメールがあって、招待されてしまったので、それならば是非、と。去年参加したときも、会長さんたちにそろそろやって、と言われてはいましたけど。

テーマをすぐに決める必要があったから、ユングの『赤の書』と日本の占星術事情の2つにしたというわけです。



今年は参加人数も多かったと聞きました。



そう、180人位が参加したようですね。今の会場……ケンブリッジ郊外のカンファレンスセンターになってから最高の参加者の数だそうです。
実は英国占星術協会の大会は、十数年前までは大学の施設でやっていたんです。ロンドンばかりでやると不公平でしょう? だから毎年、場所を変えてあちこちの大学でやっていました。ただ、そうなると、学生寮に宿泊するんだけど、大人だと設備的に今ひとつということで……。

近年は、今回もそうですが、ビジネスカンファレンスをやる場所で開催しています。僕としてはイギリス各地のキャンパスめぐりも出来たから、大学でやるのは好きだったんですけどね。学生寮のような宿泊施設に泊まったりするのも、学生気分に戻れますから。若い頃には、英国のいろんなところに出かけるいい口実になっていましたよ。ほんとにいろんなところにいったな……。



思い出話はそのぐらいにしていただいて……(笑)。今回の鏡さんのユングの『赤の書』をテーマにした講演は、かなり反響がありましたが、なぜユングの『赤の書』だったんですか?



先にもいいましたけれど、僕は英国の占星術からいろいろ学んできているわけでしょう? 本場は向こうですから。そんな人たちがレクチャーする中で、僕が独自に発表できそうなことなんてないような気がしていたんです。とくに僕はクライアントさん相手にカウンセリング(お客さんを相手にする個人鑑定)もしていませんから、実践的なことでの新しい発見というのもあんまりないしね。ただ、ようやく最近、気がついたんですけど、ちまちまではあるけれど、何十年もやってきているから多少は知っていることも増えてきたのかなと。



いやいや、何度か鏡さんと英国にご一緒して気がついたんですけれど、本場イギリスでも鏡さんくらいに占星術のさまざまなことを幅広く知っている人はそうそういないですね。特にテクニック以前の、占星術をとらえる枠組みについて。実際、英国のベテラン占星術家もそうおっしゃっていました。



ユングのことなら、多少お話できることもあるかも、と思って、ここ数年、ユング業界での最大の話題である『赤の書』を取り上げてみようと思ったんです。このテーマなら、スピーカーとしては新顔である僕のレクチャーにもいろんな人が来てくれるんじゃないかと思って。


↑鏡リュウジ講演のメインテーマとなったユング著『赤の書』


リサーチをはじめたら、これがすごくて。もともと近代の始まりと"心理学"の誕生には興味があったんだけれども、近代というのは神々や霊的な存在が居場所をなくす時代だというふうに考えると、碩学アンリ・エレンベルガーが指摘するように、近代的精神医学の誕生は悪魔祓いが治療の領域から公的になくなったところに置かれるということになる。

その歴史的日時のホロスコープを作成すると、逆に精神医学にさまざまな策を弄して霊的存在を召喚しなおそうとしたユングのホロスコープと激しい共振関係が発生する、というのが占星術的なポイントです。

でも、いろいろ準備をして英語で書いてみたのはいいけれど、2つ共、倍近い長さになってしまったんです。日本語でやるときは紙なんて用意しないけど、さすがに英語だから用意して、英語のネイティブスピーカーに1分間で話す文章量を聞いてみてそれにしたがって書いたんだけれど、それが随分早口の原稿だったみたいで。自分で削ったんだけどまだ多い。それで8月にイギリスに行ったとき、マギーさんに手伝ってもらったんだよねえ。

途中で、マギーさんも入り込みすぎて削れないと言い出して、そうしたら、マギーさんのパートナーのジェフリーさんも登場し、これをAブロック、Bブロックにわけて削除して入れ替えてみてなど、的確なアドバイスを頂いて目処がたちました。日本の占星術のほうはね、段落を組み替えたりする作業はなく、不要な箇所を削除していくだけですみましたけど、『赤の書』はけっこう大変でした。



ユングの『赤の書』の内容をめぐる話だけでなくて、必然的にそうした歴史的な事実を絡めつつ改めて「近代」を捉えなおしていこうという話になっていったんですね。確かに今回の鏡さんは、横で見ていても準備にかなり苦労されていて、気合を感じました。

参考:イギリス占星術協会
http://www.astrologicalassociation.com/

(つづく)

ー 他コンテンツ紹介 ー

シュガー プロフィール

Sugar(シュガー)
1983年生まれ。サラリーマンを経て、占い師。現在、個人鑑定・講座・執筆活動中。
鏡リュウジとの最初の出会いは、「ユリイカ」に掲載されていたシュタイナー研究で著名な美学者・高橋巌氏へのインタビュー。この時に覚えた違和感が、占星術へハマるきっかけに。慶応大哲学科卒。男性占い師ユニットNOTFORSALEメンバー。

●特技はどこでもすぐ寝ること
●ソウルフードは中本の冷やし味噌ラーメン


田中要一郎(たなか よういちろう) プロフィール

1974年和歌山県生まれ。早稲田大学卒。占術研究家、翻訳家、芸人。西洋伝統占星術、子平、インド占星術、風水、易、タロットなど洋の東西を問わず占術を研究する。訳書に「子平推命基礎大全」梁湘潤 著「クリスチャン・アストロロジー第3書」ウィリアム・リリー 著(いずれも太玄社刊) がある。

http://uranaigeinin.com/

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