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「オカルト」とは
そもそも「隠されたもの」という意味のラテン語。本コーナーでは、鏡リュウジが気になる「オカルト」的なことをお題に選んで掘り下げていきます。

オカ研File No.48 伝統占星術と現代占星術 1
2019/5/23

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伝統占星術と現代占星術【1】
  田中要一郎×鏡リュウジ
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今日は、『現代占星術家のための伝統占星術入門』(ベンジャミン・ダイクス著)を翻訳された田中要一郎さんにいらして頂きました。田中さんは、僕が推薦文を書かせて頂いた西洋占星術の古典中の古典『クリスチャン・アストロロジー』も翻訳されているんですが、占い師として鑑定もやっていらっしゃいます。

さらにとてもユニークなのは、田中さんはじつはプロの芸人さんなんですよね。占い師になったのは芸人デビューしたあとだと伺いましたが、占いに興味をもったきっかけはどこらへんから何ですか?

田中
僕は和歌山の田舎の生まれで、いわゆる拝み屋さんや占い師さんが近所にたくさんいて、うちの母親も何かあったら占い師に聞きに行っていたんですよ。そういうふうに占いが生活に入り込んでいる環境で育ったんです。台湾や香港のように風水が入り込んでいるほどではないですけどね。

高校時代には、親戚のおばさんからカッパ・ブックスから出ていた黄小娥さんの『易入門』を借りて、何かあるたびに易で占っていたんですよ。それがスタートです。

僕は、大学受験で二浪しているんですが、一浪目から東京の予備校に通っていたんですね。二浪するのが決まったとき、僕の好きな予備校の先生が神戸にいたので、東京から神戸に引っ越して受験勉強するか迷っていたんです。そのとき、ちょうどたまたま友達がタロットで占ってあげるといってくれて占ったら、東京で「太陽」が出て、神戸は「隠者」が出たから東京に残ったんです。それで合格したので、占いは当たる感が強くなって、そこからですね!(笑)

大学時代は演劇をやっていたんですが、劇団の名前をつけるときには、画数の判断をやったりしていて、いわばずっと占いが趣味だったんですね。

それから就職しないで芸人方面にいったんですが、ある時、舞台で占いのことをちょっとしゃべったらお客さんの反応が全然違っていて。食いつきがよかったといいますか。けっこう皆、好きなんだというのがわかりました。そうしたら、ちょうどそのころネットの課金サイトで稼げるみたいな下世話な話をマネージャーがしたんです。それで、手相や姓名判断じゃなくて、生年月日で占える占いをやれ、と言われたわけです。それでネットで調べてみたら、四柱推命が一番当たる感じがしたんで、そこから本格的に勉強をはじめました。


マネージャーさんのマネージメント力がすごいですね!

田中
四柱推命やっていると、四柱推命にも得意な分野とそうじゃない分野があるように感じてきて、そこを補いたいと思うようになって、占星術をやるようになりました。四柱推命で判断しづらくても占星術のほうが判断しやすかったり、またその逆に占星術だと手順が多いのに、四柱推命だと手順が簡単だったりするものがあるんですね。つまり出しやすい、出しづらい、というのがあるんです。そこから占星術をやっています。占い始めたきっかけは下世話でしたが、勉強し始めると面白くて。バイトしながらでしたが、毎日8時間くらいあまり寝ないでしばらく勉強していました。風水の勉強をしたのは後からです。これは学ぶのにお金がかかるんで、占いを仕事にするようになってからやりました。

僕は大学時代から14年間、ずっと同じ会社でバイト暮らしだったんですが、四柱推命を勉強してから2年めの時にその会社が吸収合併されてしまって、バイトが全員クビ切られたんですよ。14年も働いていたのに。その時、既に30を超えていたんで、どうしようと思っていたとき、そういえば自分は占いができたなぁと思って、そこから電話占いをはじめたんです。

2010年の秋頃からやり始めたんですが、最初はお客さんが全然こなかったんです。それが年明けに突然ぱーんと弾けて、お客さんがきはじめて、4月にはその会社の人気ランキング一位になったんですよ(笑) それで、自分には占いは向いてるんじゃないかなって思ったんです。そこからずるずる引きずり込まれました。

それで占星術なんですが、最初は西洋の現代占星術を勉強してました。が、当時読んだ本に書かれていた現代占星術の内容は性格判断的なことが多かったんですよね。ちょっと自分が求めているものとは違うと思って。自分はいつ成功するかみたいなことが知りたかったんです。それで、もっと具体的で予測的なインド占星術にいきました。


同じ占星術にハマるのでもタイプがあるんですよね。具体的な判断ができる占星術が好きなタイプですね、田中さんは。

田中
具体的で現実的なものに僕は引かれるんですね。


逆に僕がイギリスでトレーニングされたときは、コンクリート(Concrete具体的な)というのはわりとネガティブな言葉として扱われていたんですよ。具体的すぎる判断は表層的な解釈とされてしまうんです。僕がお世話になっている占術家のマギー・ハイドさんは具象とシンボリズムを一体化させようとするスタンスですけど。

田中
インド占星術をやっていたら、ある時、西洋の古典占星術(伝統占星術)を知ることになったんです。そこから『クリスチャン・アストロロジー』を取り寄せて、読み出したんです。そうしたらこれまで読んでいた心理学を取り入れた現代占星術の世界とは、全然、違ったわけです、西洋古典占星術は、インド占星術と近いんですよ。インド占星術にはもちろんインド占星術独特のものがあります。分割図やアシュタカヴァルガ、ダシャーシステムとか。でも西洋古典占星術は形としては現代占星術よりもインド占星術のほうに全然近いんです。


ヘレニズムの占星術がインドに伝播して、そこで土着の伝統と融合していった。ある意味、昔のものがそのまま冷凍保存して残っている、といった雰囲気のインド占星術の世界。

田中
そうなんですよ。だからすごくしっくりきました。違いはあっても、インド占星術をやっていたから、西洋古典占星術(伝統占星術)がわかったんだと思います。インド占星術やってなかったら未だにわからなからないところが多かったと思いますね。


現代占星術は独自な発展をしていますからね。神智学が流行った時に古典占星術が簡略化されていって、次は、神智学がオカルトすぎるから今度は心理学によっていったのが現代占星術の流れです。

西洋占星術が僕にとって面白かったのは、近代の中で鍛えられているところがあるところですね。統計を必死でやって有効性を証明しようとして失敗したりとか、経験の質を問うために心理学的アプローチをとってみたりとか・・・西洋占星術はいわば自己弁護の歴史なんですよ。近代に入ってからだけではなく、占星術の歴史自体がそういうのがあるんですよ。

キリスト教の中で、あるいは科学の時代になってから生き抜いていくためには言い訳が必要なんですね。自然学に対しても弁明が必要なんですね。根拠とみなせる何かが必要。ロジックですね。そこが僕は面白いんですよ、基本的に負け戦なのに(笑)

田中
たしかに、つねに胡散臭いのが占いですものね。


ただ、西洋占星術についていえば、ルネサンスの時代までは胡散臭くはなかったわけですよ。

田中
大学の学問として扱われていたくらいですからね。

(つづく)

伝統占星術と現代占星術 2

伝統占星術と現代占星術 3

ー 他コンテンツ紹介 ー

田中要一郎(たなか よういちろう) プロフィール

1974年和歌山県生まれ。早稲田大学卒。占術研究家、翻訳家、芸人。西洋伝統占星術、子平、インド占星術、風水、易、タロットなど洋の東西を問わず占術を研究する。訳書に「子平推命基礎大全」梁湘潤 著「クリスチャン・アストロロジー第3書」ウィリアム・リリー 著(いずれも太玄社刊) がある。

http://uranaigeinin.com/

『現代占星術家のための伝統占星術入門』(ベンジャミン・ダイクス著 田中要一郎訳)
https://www.amazon.co.jp/dp/4906724442/

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